打倒関東を掲げる大阪産業大学だが、今いるメンバーにとっては関東のチームと対戦したのも早稲田大学が初となる。村上は「フィジカルも強いですし、一つひとつのプレーが丁寧で、関西とは全然違うなと感じました。早稲田大学はあの強さで入替戦を戦わなければならないと思うと、相当レベルが高いんだなということを肌で感じました」とその印象を述べる。知らないことが怖さにつながるが、「予選でこのレベルを経験できたことはとても大きいと思います。関東のチームにも自分たちが通用するというのが分かったので、次に向けてしっかり調整していきたいです」と言い、次戦はシードの拓殖大学、勝利すれば大東文化大学と関東勢との戦いが続く。
この日の早稲田大学もそうだったが、大東文化大学まではいずれも相手は初戦であり、足元をすくうチャンスとも言える。「早稲田戦も、もし逆の立場だったら自分たちが負けていたかもしれません。相手が初戦というのは、ひとつのアドバンテージになるかもしれないという話は、大会がはじまる前から話していました」と村上は言い、最初の試合で勝利したことを自信につなげたい。大阪産業大学のスタイルについて、村上はこう紹介してくれた。
「ディフェンスをがんばる、そしてリバウンドを取ってファストブレイクを出す。外からの3ポイントが得意な選手もいっぱいいるので、ポンポン打ってそれを決めて盛り上がって、ディフェンスをがんばって走るスタイルです」
このメンバーにとってははじめてのインカレであり、この大舞台を待ち焦がれていた。4年生にとっては最後のチャンスをつかみ、すでに2連勝し、打倒関東の目標もひとまず突破できた。「いろんな方々のおかげでこの大会が開催できていると思います。だからこそ、自分たち選手はコートで100%の力を発揮するだけです。楽しいが一番の感想ですね」と小栗は笑顔を見せる。「拓殖にも大東にも勝ってベスト4に入って、その後はどこが来るかわからないですけど、この大会で一つも負けることなく最後までバスケットできたらいいなと思います」と村上は話すとおり、インカレははじまったばかりであり、まだ道半ばである。
文・写真 泉誠一