「最終節ということでチームとしても、個人としても良い形で終わることができたので、この良い雰囲気のままインカレに臨んでいきたいと思っています」
日本体育大学のポイントガード、小川麻斗は最後の2試合を勝利で終われたことに手応えを感じていた。最終戦は3位の東海大学を相手に、立ち上がりから25-10と突き放して行った。5点差まで追い上げられる場面もあったが、接戦も多かったリーグ戦の経験を糧に、「そこでどうすれば良いか自分でも考える機会になりました」という小川がしっかりコントロールして打開する。今シーズンの個人的な目標は「チームを勝たせること」。18点を挙げる活躍もあり、73-62で勝利へと導いた。
「1年生に任せっきりになってしまえばミスが増えたり、チームの雰囲気が悪くなったりして、後半は相手に詰められ、流れを持って行かれてしまいました。チームの流れが良くない時間帯にどれだけ自分が得点を獲ったり、コントロールできたりするかが、チームの勝利につながると思っています。今回は得点を獲ることができましたが、インカレは一発勝負でもあるので、苦しいときにこそどれだけ得点を獲ることができるか、ディフェンスでもどれだけ自分が前からがんばることができるかがカギになると思っています」
リーグ戦期間中、大黒柱となるムトンボ ジャンピエールがケガのために8試合欠場。その間は1勝しか挙げられていない。小川自身も4試合欠場し、終わってみれば14勝12敗で8位と低迷した。負けが先行し、出口が見えなかった時期は「メンタル的にもきつかったです」と吐露する。しかし、そんな状況の中で「自分にとってもチームにとっても気づかされることがあり、負けて成長できることを学びました」と気持ちを切り替えたことで、負の連鎖を断ち切る。
「ダメなまま続けてしまえば、チームもダメになっていくので、チームとしても個人としてもどう上向かせていけば良いかを考えていました。2巡目になり、もう1回リセットして臨んだことで、後半は良い形で終われたかな」
2巡目の13試合は、10勝3敗で駆け抜けた。4試合欠場しても、総数128本で圧倒した小川はアシスト王を受賞。「自分やジャンピを守れば良いと思っているチームがたくさんあると思うけど、そこでディフェンスをうまく引きつけてキックアウトパスをすることは意識しています」とチームメイトを存分に活かしてアシストを積み上げていった。