術後の経過はメチャクチャ良くて、MRIを取ったときも「前十字がキレイに再建できてるね」と担当医に言われるまで確認ができたことで、少しずつですが不安もなくなっています。両ヒザともほとんど痛みは出なくなりましたが、最初は本調子にはほど遠かったです。(チーム総括)新関(光一)さんが、「本調子じゃないときに無理をすれば、また同じケガをする可能性があるから、そこは調整しながら向き合っていくしかない。不安もあるとは思うが、そこは我慢するしかない。絶対にどんどん良くなって行くはずだから、継続してがんばろう」という話をしてくださったのが、去年のインカレ3位決定戦の後でした。期待されていることが分かっていたからこそがんばれましたし、また点数を獲れるようになったことでようやく復帰できたかなと感じています。
最初の頃はケガしたときのトラウマもあり、ゴール下に行くのがマジで怖くて、ペイントタッチすら怖かったです。それでシュートが入らないことが続き、もうどう動けば良いかさえ分からなかったくらいでした。それでも優一さんは「本来の姿に戻るまで使い続けるから」と言ってくれたことで、だんだんとプレータイムも延びていき、少しずつですが自分のリズムが戻ってきた感覚はあります。リーグ戦の前半はシュートのタッチが良くなかったし、ヒザを気にしていたためにバランスも良くなかったです。去年もケガから復帰した直後は同じ状況で、その経験があったことで最初はもうしょうがいないと割り切ることができました。(9月28日の)日大戦あたりから、ちょっとずつシュート感覚が戻ってきて、点数も獲れるようになってきました。みんなも「復帰後なので、シュートが入らなくてもしょうがない」と理解し、ガマンしてくれたことに感謝です。ようやく今はシュートも入るようになってきたからこそ、思いきって自分でも打てています。本当に少しずつですが、変化している手応えは感じています。
点数は獲れなくても、ガードとしてゲームコントロールはできるので、まわりを活かしながらどうやって点数を獲らせようかということを最初は意識していました。リバウンドは毎試合スタッツを残すことができ、ガードとしては良い数字だと思います(平均2.5本/10月23日現在)。飛べるし、フィジカルコンタクトでも負けないからこそ、リバウンドは続けていこうと思っていました。自分がいることで、第4クォーターも落ち着いてプレーができることをみんなも分かっているからこそ、まずは自分が崩れないように、それだけを意識していました。自分が崩れてしまえば、試合が崩壊してしまうという気持ちで前半戦を乗り切れたからこそ、今があると思っています。
「もうボロボロになるまでやればいいじゃん」と背中を押した希望の言葉(後編)へ続く
文・写真 泉誠一