“HARD WORK”と“NO EXCUSE”で神奈川大学らしさを築いてきた先輩たちに感謝
青山学院大学戦で#23 小宮優大がケガをしてしまったことは痛手であり、残る4年生たちの活躍がインカレ出場の目標に向けて不可欠である。「コートに立つ工藤や工、#4鈴木(雅之)の4年生がまだいるので、4人で引っ張っていかなければなりません。自分たちは小さいですが、それでもフィジカルの部分で助け合ったり、声を出したりしてチームを鼓舞できるようにがんばりたいです」という横山が、キャプテンとしてチームをひとつにまとめる。
駆け足で行われてきたオータムリーグも、残すはあと5試合となった。4年生にとっては、神奈川大学バスケ部としてプレーできる時間も残り少なくなっている。その中において、「試合でのアジャストも大切ですが、やっぱり練習してきたことがゲームに出ます。練習中から厳しくして、試合に関してはのびのびとできるようになれば良いです。#25 向(奏瑠/3年)や山本などすごく能力がある下級生がいるので、4年生がプレーしやすい環境を練習から作っていきたいです」と工藤は話し、チームを上向かせていく。
今の4年生たちが入学した時のチームに、190cm台の選手は当時1年の工だけだった。全国大会を経験した選手も1人か2人しかいなかった。その中において、アルバルク東京の先発を任う小酒部泰暉を輩出し、この3年間で見違えるようなタレントが揃いはじめた。その変化は、ウォームアップを見れば一目瞭然である。ボコボコとダンクを決める選手が増えたことが感慨深い。ライバルと比較すれば、まだまだ身長でのビハインドはあるが、“HARD WORK”と“NO EXCUSE”のスローガンの下、ディフェンスから泥臭くプレーするのが神奈川大学だ。諦めることなく追い上げていった専修大学戦も見応えがあり、ゲームの中で成長する姿が見られるのが魅力でもある。その伝統を築きあげ、1部へ昇格させてくれた先輩たちに感謝する横山は、今のチームにも自信を持っている。
「自分たちが1年生の頃はそこまで高さがなかったんですけど、後輩たちが入ってきた今は大きな選手も増えました。それも、先輩たちが1部で戦ってきてくれたからこそ、大きい選手や能力がある選手たちが集まるようになりました。本当に先輩たちががんばってきた功績はすごく大きいです。だからこそ、神大としての泥臭いところをもっと意識してプレーしていかなければならないです。能力がある下級生は多いですが、その部分を本気で徹底するよう常に言っています。今はすごく良いバランスが取れたチームにはなってきているのかなと思っています」
次戦は2部から昇格してきた国士舘大学、明治大学と続き、1巡目と同じく白星を重ねたい。14チーム中11位以下が2部降格圏内となり、現在9位の神奈川大学。この順位をキープするのが最低限であり、上を見れば3ゲーム差しかない6位までは順位を上げられる可能性も残っている。
文・写真 泉誠一