チームを鼓舞する気持ちで決め切ったバスケットカウント
今シーズンより1部へ復帰した明治大学は、早くも3勝を挙げている。同じく2部から昇格した国士舘大学を85-77で破って初勝利を挙げ、続く青山学院大学を82-69で下して2連勝。5戦目の日本体育大学にも70-58で勝利し、3勝2敗と勝ち星が上回った。しかし、その後は勝てない試合が続き、9月9日には早稲田大学に初勝利を献上した。明治大学の4年生、#31 吉村公汰は以下のようにこの敗戦を振り返る。
「出だしの部分で、自分たちが思い描くオフェンスの形が全くできなかったです。さらに、気持ちで早稲田大学の方が勝ちにこだわったところが強かったです。その圧にやられて、前半は思いどおりの展開にならず、気持ち的に下がるような展開だったと思います」
拮抗する試合展開の中、後半開始早々に2本のバスケットカウントを決めた。吉村は「あの2本は技術どうこうではなく、気持ちで決め切った感じです」と言い、敗れてしまったがプレーでチームを鼓舞していた。
早稲田大学戦の前節で、神奈川大学に74-84で延長戦の末に敗れている。吉村は「このままでは勝てない」という思いを強く感じた試合でもあった。明治大学が1部だったのは3年前のこと。今の4年生だけがその空気を吸った経験があり、その中でプレータイムをもらっていた吉村だからこそ、責任感も人一倍強い。
「自分が1年の頃は今よりも厳しい状態でなかなか勝てず、チームの雰囲気も良くないまま試合に臨んでいたことが続いていました。試合へ行くまでの移動中の雰囲気や、練習中も他の強いチームと比べて何か違うなということを1年生ながらに感じていました。昨年の(常田)耕平さん(現・青森ワッツ)らが引っ張ってくれた先輩たちを見て、自分も来年は1部で勝つためにはもっとチームを変えなければいけないと思っていました。今も4年生同士で話し合って、試合に絡んでいる#24 勝山(大輝)や#71 若槻(遼)らと一緒に、言葉だけではなく一つひとつのプレーで引っ張っていくことを意識しています」