3つ上の兄・優大(シーホース三河)とは、1年時に同じチームとなる。しかし、コロナ禍によって試合数が制限されたことで、一緒にプレーする機会は多くなかった。今では日本代表に定着する兄の背中を追いかける。
「(トム)ホーバスさんに代わってからずっと代表に呼ばれていますし、あと1ヶ月も経たないうちにBリーグも開幕するので、兄の活躍を見るのが待ち遠しいです。兄の試合を見て得ることも多いですし、何よりモチベーションが上がるので、開幕が楽しみです。兄も言っていましたが、高校(福岡大学附属大濠高校)と大学では同じ道を進んできました。でも、Bリーグでは違うチームで対戦したいと言っています。僕も早く兄に追いつけるように、スキルも3ポイントシュートをもっと身につけて同じ舞台で対戦したいです」
タフなスケジュールを乗り切るためにも「コンディション勝負」
冒頭に紹介したとおり、タフなスケジュールとなる今シーズン。週末3連戦、東海大学などチームによっては首都圏から北関東へ移動するケースもあった。陸川監督はプレータイムをなるべくシェアしながら、コンディション管理に努めている。だが、試合内容によってはタイムシェアできるケースばかりではない。試合中はもとより、その間の生活こそ重視しなければならない。今シーズンの潤について、東海大学の西川潤トレーナーに伺った。
「試合後のオフ期間については、コーチ陣と相談しています。例えば、選手のプレータイムによってオフを2日間与えたり、逆にあまり出なかった選手やベンチに入っていない選手は個人ワークアウトをさせたりするようにしています。練習時間もかなりコンパクトにし、その中で激しく取り組みながら調整しています」
東海大学は、ウェアラブル端末を使用した計測サービスを行うKINEXONとの共同研究により、加速度センサーなるデバイスを導入。「走ったときの負荷を図るセンサーで、練習中の選手たちの負荷を計測しています。それを元に、先週と今週でどれくらい変化があるかを比較しながら、コンディション評価を行っています」と言う。学生の本分は勉強であり、「バスケ以外の疲労もあるので、そこもマネジメントしなければなりません」と西川トレーナーは続け、5人のスタッフで多岐にわたって管理している。
#13 金近廉や#3 ハーパー ジャン ローレンス ジュニア、西田陽成など試合で活躍する下級生たちにとっては、体づくりも大事な時期である。
「今後を見据えて最低でも週に1回はウェイトトレーニングをするようにしています。育成の目的とともにパフォーマンスを考えながら本人とも相談して、トレーニングは判断しています」
トレーナー陣を束ねる小山孟志氏が「コンディション勝負」というタフな今シーズンは、選手もスタッフも一丸となって乗り越えねばならない。試合会場で細かい気配りを行うトレーナー陣の活躍も見逃せない。
文・写真 泉誠一