「はじめてのスタートだったので緊張しました」根本大
関東大学オータムリーグが8月20日より開幕。今年の1部リーグは、3年ぶりにコロナ禍前と同じく全チーム2回戦総当たりのレギュレーションに戻る。14チームに増えたことで、1チーム当たり26試合を戦うオータムリーグは11月上旬まで続く。
3試合を終え、無傷の3連勝は今年の関東大学スプリングトーナメントを優勝した専修大学、続くルーキーズトーナメントを制した日本体育大学、昨年のオータムリーグ準優勝の日本大学、そしてインカレチャンピオンの白鷗大学の4チーム。
2連勝同士の対戦となった白鷗大学vs中央大学。この試合ではじめて先発に起用されたのが、2年生の根本大だ。その心境は、「リーグ戦ではじめてのスタートだったので緊張しました」と吐露する。仲間たちから「ディフェンスさえ、しっかりやれば大丈夫」と声をかけられ、根本自身も前からプレッシャーをかけたことで集中して試合に入ることができた。
第1クォーター、3ポイントシュートを沈めた根本は、そのままフルコートディフェンスでプレッシャーをかけ、スティールしたボールを自らゴールへねじ込む。根本の活躍もあり、序盤から15-2とリードした白鷗大学がペースを握る。選手を入れ替えながら、終始強度の高いディフェンスを見せた白鷗大学が78-64で中央大学を破り、ホームゲームで3勝目を飾った。
世代を代表する選手を相手に負けない気持ちで取り組む日々の練習
白鷗大学のポイントガードは4年生の#0 関屋心から1年生の#78 佐藤涼成まで、豊富な人材を揃える。裏を返せば、ポジション争いは激しく、練習中から切磋琢磨できる環境だ。オータムリーグ開幕前にケガをした関屋は、プレータイムを制限しながら3戦目に復帰を果たす。セカンドユニットでコートに立つ佐藤は、スプリングトーナメントから着実に経験を積み、自信を持ったプレーでこの試合も10得点を挙げた。
根本は昨年のオータムリーグも、今年のスプリングトーナメントもベンチ外だった。ようやくルーキーズトーナメントで出場機会を得ると、頭角を現す。「世代を代表するプレーヤーと練習中からマッチアップする機会があり、そこで負けないようにやってきたつもりです」という根本は、関屋や#33 杉山裕介(4年)だけではなく、10cm以上大きな#2 脇真大(3年)をマークする機会が多い。日々、仲間たちとぶつかり合ってきた成果を「今日の試合で発揮できたのは良かったです」と言うように、中央大学に対してディフェンスが通用したことに自信を見せる。逆に、今後の課題点としてオフェンスを挙げた。
「3ポイントシュートや、白鷗が大事にしているトランジションバスケに対し、自分が先頭を切って走っていきたいです。白鷗はチームディフェンスからトランジションを強みにしています。リーグ戦を通して、そのチームのモットーをもっと強化していきたいです。まだまだオフェンスで点が伸びない時間帯があります。そのときに流れを作る一本を決められるようなプレーを、チーム全員で作り出していけるようにしたいです」
はじめてオータムリーグに臨む根本にとっては、「長いリーグ戦の中でしっかり経験を積んで、さらにレベルアップできれば良いと思っています」と楽しみしている。そのためにも、コンディションを維持することが大事になる。
「まだ3試合なのでリーグ戦の戦い方もあまりつかめていないですが、試合が進んで行けばどんどん疲労も溜まり、動きも変わってくると思います。そういう状況の中でもアグレッシブにディフェンスをすることで、チームとしても個人としても成長できると思っています。そこを心がけながら、一戦一戦を大事に戦って全勝優勝を目指してがんばります」
次戦8月27日(土)は日本体育大学と連勝同士の対戦が続く。
文・写真 泉誠一