トーナメント形式のインターハイは負ければ終わり。しかしインターハイで負けても、次がある。国体は年齢制限をされているにせよ、ウインターカップで借りを返すことができるのだ(もちろん予選を突破しなければならないという注釈は付くが)。インターハイで “敗れてもなお” 、目に留まった選手、チームを紹介していきたい。
桜花学園が敗れた。
あの桜花学園である。
昨冬のウインターカップで大会3連覇を達成すると同時に、全国大会通算70回目の優勝をつかみとった高校女子バスケット界の女王。
今夏も4大会連続のインターハイ優勝を目指していたが、京都精華学園に63-65で敗れた。
しかも残り0.2秒での逆転負け。
むろん、そこでタイムアウトを取って、ラストショットに望みを託したが……。
その内容については専門誌、もしくは専門サイトで詳しく紹介されるだろうから、彼らに譲る(当方もバスケ専門サイトですが)。
ここで紹介したいのは、敗れてもなお、やはり桜花学園にはこれから注目せざるを得ない選手がいるということ。
いや、言ってしまえば、全員である。
どの選手も才能豊かで、ケガやモチベーションの低下などがない限り、女子バスケット界で輝き続ける素質を持っている。
しかし今日、小生の目に留まったのは1年生である。
いや、これにも「待った」が入る。
桜花学園にはこれまでも1年生から起用される選手が少なからずいた。
今大会の指揮を執った長門明日香も、今シーズンからトヨタ自動車アンテロープスのヘッドコーチに就任した大神雄子とともに1年生から起用されていた。
しかも彼女たちはスタメンで起用である。
さらにいえば、その夏の敗因(準優勝)を一身に背負わされたツワモノ1年生だった。
そう考えると、今夏の1年生はベンチスタートだから、彼女たちにはやや及ばないのかもしれないが、それでもやはり、そのプレーを見ると将来性を感じずにはいられない。
もはやタイトルで見ているだろうが、彼女の名前は深津唯生(ふかつ・ゆいな)。
179センチのパワーフォワード。
三重・メリノール学院中学出身で、今年1月のJr.ウインターカップ2021-2022で同校を大会連覇に導いたエースである。
そこだけ切り取ると、ならばチャンスはあるでしょう、と思われるかもしれないが、改めて言うまでもなく、ここは桜花学園である。
全国からエースクラスの選手がその門をくぐってくる。
深津の同級生もJr.ウインターカップ2021-2022で活躍した全国のエースたちばかり。
先輩たちもそう。
そのなかで1年生として唯一ユニフォームを得て、かつ今日の試合では31分も出場しているわけである。