「全日本大学バスケットボール新人戦(プレ大会)」は3年生まで出場が可能である。関東を制した日本体育大学は、予選の時と変わらずムトンボ ジャンピエール(2年)以外は1年生が主力で今大会に臨む。松山大学に109-77で圧倒し、続く新潟医療福祉大学も98-63で下して2連勝。予選ラストは3年生主体の近畿大学と対戦する。
関東1位の日本体育大学に挑んだ新潟医療福祉大学(北信越1位)だったが、「自分のマークマンですらドライブで切り抜けなくて、抜けてもブロックが飛んできました。その状況に自分が対応できていなかったです」と#98 川村愛斗(2年)は吐露する。初戦の近畿大学戦は、23点・12リバウンドのダブルダブルをマークし、79-67で勝利に貢献。しかし日本体育大学戦は、川村が武器とするドライブやリバウンドが次々と阻まれてしまう。
「なかなかうまく行かず、インサイドで得点できず、ディフェンスでも相手の方が大きくてリバウンドも獲れませんでした。高さでは勝てないので、相手を押し出すことなど他の部分で勝っていかなければいけないのかなと思いました」
第1クォーターは#53 押金紘輔(3年)のアウトサイドシュートだけに終わり、12-30と点差を広げられる。先に川村が述べたように、ドライブに行けばフィジカルなディフェンスで止められ、シュートを狙えばジャンピエールのブロックが飛んでくる。前半を終え、50-28で日本体育大学がリードし、気持ちが折れてもおかしくはなかった。前半は0点に終わった川村だが、「練習してきたことをこの試合で出そう」ともう一度奮起する。その結果、14点・12リバウンドとこの試合もダブルダブルの活躍を見せた。
「どんどん中に切り込んでいくしかないと気持ちを切り替えました。関東の強豪と対戦できる機会は、新潟にいると実際にはないことなので、最後まで全力を出し切ろうと思って戦いました」
今大会へ向けた抱負は「関東・関西の強豪校に勝つ」と掲げた新潟医療福祉大学。日本体育大学には敗れたが、昨年のインカレ1回戦と同じ相手の近畿大学にはリベンジを果たし、目標の半分は達成できた。近畿大学戦は、「積極的に自分からリバウンドを獲り行き、そこからブレイクを出して得点につなげられたのが良かったです」と川村は勝因を挙げる。敗れた試合の経験を踏まえ、「相手のレベルが高くなるとディフェンスの激しさが強くなり、意識していてもなかなかハードにディフェンスすることが、相手に比べてできなかったのが反省点です」という差を感じている。
川村自身は、昨年のインカレではベンチに入ることができなかった。今回はじめて全国を経験できたとともに、リーグ戦を採用した今大会を歓迎する。
「まだ2年生なので、負けても試合があるリーグ戦だからこそ、関東も関西も経験できたことが一番大きいです。自分の課題やチームとしてやるべきことが見つかり、関東勢に勝つためにどのようなプレーを身につけなければいけないかということが、今日の試合で分かりました。これから試合を見返して、さらに分かることもあると思うのでとても良い経験になりましたし、インカレが楽しみです」
続く松山大学戦でも多くの成功体験と課題を見つけ、インカレまでにそれらをクリアすることがこれから勝っていくためにも必要である。
文・写真 泉誠一