今年3月に行われた前回大会に続き、今年の新人戦も筑波大学は最終戦で大東文化大学に敗れて終えた。前回は準優勝、今大会は4位。リベンジへの思いが強いかと思いきや、#19 間山柊(2年)はこの敗戦を前向きに捉えていた。
「これまでは後半にダメになる流れでした。でも、この試合は最初に大きく点差を離されてしまいましたが、チームみんなでコミュニケーションを取って、後半に立て直すことができました。負けてはしまいましたが、チームとして歯車が噛み合い、これからもっと良いチームになるきっかけになったような試合でした」
準決勝までは後半に失速する試合が続いていた。東海大学との準々決勝は、最後の10分間で17-29と追い上げられたが、辛くも4点差で逃げ切った(72-68)。準決勝の日本体育大学戦は第4クォーターに17-33と引き離され、70-91で敗れている。逆に、3位決定戦の大東文化大学大学戦は、前半で21点のビハインドを背負う展開だった。後半、208cmの#39 アブドゥレイ トラオレを相手にする間山は、ディフェンスを変えた。
「きっかけになったのは準決勝の日体大戦で、そのときは(ムトンボ)ジャンピエール選手に結構やられてしまいました。この試合も前半は良くなかったですが、教わったディフェンスのコツを思い出したことで、気付いた部分がありました。それを後半に試してみたら、うまく止めることができました。この経験は、新人インカレ(全日本大学バスケットボール新人戦(プレ大会))にもつながってくると思っています。ここでつかんだコツを手放さないように、しっかり練習から意識していきたいです」
間山の役割は「リバウンドを獲ること、相手の留学生をしっかり抑えること、オフェンスでは得点を獲ること」であり、後半はその役割を全うできた。
195cmの間山のポジションはパワーフォワード。同じくらいの身長の選手はチーム内にも多くいるが、体を張れる分、間山がインサイドの要となる。しかし、将来を見据えれば、「4番や3番にポジションアップしたい」と考えており、4年生の藤村貴記(203cm)や3年生の木林優(200cm)がいるうちに開花させたいところだ。
春のトーナメント(第71回関東大学バスケットボール選手権大会)で出番のなかった間山は、踵のケガによりスタンドで応援していた。まだ少し痛みも残っているが、「ここから上がって行くだけです」と気合いを込め、この経験を新人インカレへつなげていく。
「チームとして勝つことが最高の終わり方であるならば、今回の負けは全国でリベンジするためにも最良の終わり方をしたと自分自身は思っています。これから新人インカレへ向けて、さらに強固なチームとしてまとまっていくためにも、大事なキーポイントになりました」
文・写真 泉誠一