新シーズンの目標は2部優勝・1部昇格
愛媛県の県立松山工業高校出身の武内は、高校3年のウインターカップ県予選決勝で49得点をたたき出した過去を持つ。そのあとのウインターカップ1回戦では現在大東文化大学にいる菊地広人を擁した藤枝明誠高校と対戦し、試合には敗れたが36得点を挙げた。
だが、大学進学の際は関東の大学に進むつもりはなかったと明かす。そんな彼を山梨学院大に誘ったのが現在ヘッドコーチを務める古田悟だった。古田HCは武内の“49得点”を現場で見て一目惚れしたらしい。
「古田さんは元日本代表で昔から有名な方だったので知っていました。関東の大学はレベルが高かったのでイメージしていなかったですけど、声を掛けてくださったときに関東と言われて、自分も挑戦したいなと思いました」
入学当初からプレータイムを与えてきた武内に対し、「順調に成長している」と古田HCは口にする。「シュート力と迷わず打つところが彼の素晴らしいところで、初めて見たときもいい選手だなと思いました。以前はディフェンスが全くできなかった選手が今はディフェンスをやるようになりましたし、チームの中心となってやってくれているので、欠かせない選手です」
2019年に山梨学院大の指揮官に就任した古田HCにとって、武内ら現在の2年生は自身が同大学に来て初めてリクルートした代だ。今季のリーグ戦においても武内ら下級生が主体となり、11戦全勝で2部昇格を果たしている。
4月から明ける新たなシーズンでは2部へと戦いの場を移すが、チームとしての目標は「優勝」そして「1部昇格」と古田HCと武内は口をそろえた。古田HCはその理由をこう付け加える。
「次のシーズンで1部に上がるのが最低条件。今の2年生にとっては1部でプレーするチャンスはその次のシーズンなので、今度のリーグ戦で昇格しないとあいつらはできない。そこをなんとかクリアしたいです。彼らは自信を持っていますし、チームとしても競争意識を持って取り組んでいるので楽しみです」
4月に3年生となる武内は、全体のチームでも引き続きキャプテンを担う。「新チームでもキャプテンをやらせてもらうので、自分のことだけじゃなくてチームメートがどう思っているか、自分にどうしてほしいかなど積極的にコミュニケーションを取ることを心がけています」と意気込む彼に対し、古田HCも大いに期待している。
「3ポイントはもっとアグレッシブに打っていた選手。小技を覚えてきたことは良いことではあるんですけど、あいつはやっぱり3ポイントが大きな武器であり、相手にとっても2点より3点の方がダメージがあります。そこはもっと打ち切って欲しいです。キャプテンとしてはキャプテンシーを持つのはいいけど、気持ちの面で勘違いしないように。そこは僕としてもしっかり教え込もうと思っています」
文・写真 小沼克年