「やらされているバスケではなく、今は自分たちでなりたい姿を求め、自分たちでプレーを選択しているから、とってもやりやすい環境です」
優勝を決めたあと、「みんながそれぞれの役割を理解してプレーできていました。ミスしても次のプレーへの切り替えも速く、あまりネガティブなことを考えることなくポジティブにプレーし続け、最後に笑顔で終わることができました」という#8 ジョシュアンフォノボ テミトペのコメントが、今の東京医療保健大学を物語っていた。
『ミスは失敗ではなく次につなげるもの』ポジティブなエネルギーで勢いづけた2年生たち
主力となる4年生は木村のみであり、多くの2年生がチームを支えている。ポイントガードの#1 古木梨子は、笑顔で戦う東京医療保健大学の象徴のような存在だ。
「常に笑顔を忘れないでプレーをすることで、自分のモチベーションも上がるし、自分が笑顔でプレーすることでまわりの仲間たちもがんばろうという気持ちになると思っています。そこは常に意識してやっています」
吉田亜沙美アシスタントコーチとも密にコミュニケーションを取り、「パスの出す位置やタイミング、あとはディフェンスのことなど細かいところまでいろいろと教えてもらっています」とアドバイスを受け、プレーの幅を広げている。
日本体育大学戦で足を負傷したはずの#7 洪潤夏だったが、「大丈夫でした」と笑顔を見せた翌日の準決勝・早稲田大学戦では、14分間の出場時間で12点を挙げた。東京医療保健大学に入る前までの洪は、「ミスしたときに落ち込むタイプ」だったそうだ。しかし、今では、「『ミスは失敗ではなく次につなげるもの』という考え方でみんなができています。落ち込むことなく、常にポジティブにプレーできています」というマインドセットで活躍を見せる。
次々と3ポイントシュートを放ってチームを勢いづけた#22 林真帆。合計15本、1試合平均3本を成功させたが、2回戦の日本経済大学戦は8本放って1本しか決められなかった。それでも下を向くことなくリングを見上げ、自分を信じてゴールを狙って行く。「周りの声や自分のマインドのところでしっかり楽しんで、シュートが入らなくても気にせずに、チームのために良い影響を与えられるようにプレーしていたことで、自分の調子もどんどん上がっていきました」と気持ちの面で乗り越える。翌日の日本体育大学戦では4本を成功させ、その後も好調をキープできた。
「シュートタッチが前半に悪かったとしても、自分で気持ちをコントロールして調子を取り戻すことができるようになりました。そこは成長していると自分自身でも感じています」
岡本とともに、2年生ながら先発で起用されているのが#18 池松美波だ。5連覇に向けて、「ただチームのために戦うということを思いながらプレーしています。大舞台だからといって緊張することもなく、いつも通りやればいいと思っています」と平常心で戦い抜いた。2年生が活躍する現状について、「フレッシュな力を発揮できていると思っています。上級生に任せるのではなく、自分たちから底上げできるようにプレーできれば良いと思っています」と下級生同士で話し合いながら、しっかりと戦力になって5連覇を支えていた。