今年のインカレ(第73回全日本大学バスケットボール選手権大会)において、男女揃って出場しているチームは14校ある。中学生くらいであればお互いを応援し、それによってモチベーションが爆上がりしてるんだろうなぁ、という光景を目にする機会は多い。この夏の東京オリンピックでは、アメリカ代表のいずれもスーパースターがそれぞれの試合に足を運び、戦況を見守っていた。そんな微笑ましい交流は大学生にもあるのだろうか?
関西5位で3年ぶりにインカレの切符を手にした関西学院大学が、関東10位の青山学院大学を52-63で破り、1回戦を突破した。18点を挙げた#18 山際爽吾は1年生である。その試合を終えた約2時間後、別会場にて、同じく関西5位の関西学院大学女子チームが初戦に臨んだ。対するは昨年6位、東海1位の名門・愛知学泉大学である。
「愛知学泉はハンドオフやピックを使って攻めてきていたので、その対策をするためのディフェンスを練習してきました」と4年生の#5 川腰穂乃花が明かす。立ち上がりからプレッシャーをかけ、チャンスを作る。#26 大崎莉瑚が3ポイントシュートを決めて12-11とし、最初で最後のリードを奪った。
3年連続インカレに出場する関西学院大学だが、過去2年はいずれも1回戦敗退。しかし、目標は初戦突破ではない。「力のある下級生が入って来たことでベスト8を狙えると信じ、強い気持ちで戦っていました」という川腰の言葉通り、女子も1年生たちがゲームを引っ張って行く。
関西女子学生リーグ1部の得点王となった#75 前田芽衣は、昨年のウインターカップチャンピオンである桜花学園のスタメン。この試合でもチームハイとなる13点をマーク。逆転3ポイントシュートを決めた大崎(大阪桐蔭出身)は、その後も2本成功させている。180cmの石原妃栞も桜花学園出身であり、前田とともにスタメンで活躍し、関西学院大学のインサイドで奮闘する。要所で3ポイントシュートを決めた2年生の#24 岸本明香里は12点を挙げた。
力のある下級生とこれまで2度のインカレを経験してきた上級生が融合し、3度目の正直で強豪の愛知学泉大学に挑んだが、シュート成功率34.3%(愛知学泉は57.4%)とその精度を欠き、65-97で今年も初戦突破を果たせなかった。
1年生のときからインカレのコートで活躍してきた#11 高木愛実は、「球際の甘さの差で負けたことがすごく悔しいです」とその差を痛感する。しかし、愛知学泉大学の木村功監督が、「相手の方が一生懸命やってるぞ」と檄を飛ばしたとおり、気持ちでは負けていなかった。3年生の高木は早くも来年を見据えている。