2年生の田邉だが、昨年はコロナ禍により中止となったことではじめてのオータムリーグを戦っている。トーナメント戦ばかりだった高校、そして昨年までとは違い、「長い期間の連戦が続きます。その中で全力を出し切って、次の試合までにいかに調整できるかがすごく重要だと気付きました。やっぱり大学バスケはこのリーグ戦が中心になってきます」と多くの経験を積んでいる。来年の1部での戦いを見据え、日々の練習から高い位置にスタンダードを設定してきた。
「今年は先輩たちに昇格してもらった分、来年以降も1部に残って戦っていけるようにしなければいけないと考えています。下級生同士でしっかりコミュニケーションを取り合いながら、来年につなげなければいけないと常に言い合っています。一人ひとりのスキルや能力はすごく高いと思うので、さらに組織力を高めていきたいです。1部はもっとサイズもスキルもあるので、オフェンスでもディフェンスでもチームプレーに徹底していかなければいけないと思っています」
明星大学戦ではゲームハイの16点を挙げた#7 伊藤治輝、3年生の#31 吉村公汰とともにエースの岡田とマッチアップした#35 越田大翔ら1年生の活躍も目立った。チームを引っ張る常田耕平キャプテンら4年生と一緒に戦えるのも残りわずかであり、「今年は良い結果を残して、恩返しできるようにしたいです」と最終目標へ向かって行く。
Bリーグの経験を注入し、若い逸材たちに刺激を与える横尾達泰コーチ
Bリーグを目指す選手も多く、田邉もその一人である。明治大学出身であり、昨シーズン限りで香川ファイブアローズを引退した横尾達泰コーチの存在は大きな刺激となっている。
「Bリーグを経験してきたからこその考え方やメンタルの持ち方などをしっかり還元してくれています。そこは新しい発見であり、自分たちにとってもすごくためになっています。また、そういうことを意識しなければ、Bリーグにも行けないのかなということも学ばせてもらっています。すごく感謝しています」
チームの目標を叶えるためには勝利が必要である。そのための日々の努力は、選手それぞれの夢にも必ずつながっていく。昨シーズンはリーグ戦が開催されなかったことで、1部復帰の道も断たれた。無念の1年を力に変えた明治大学のチャレンジは、ここからが本番である。
文・写真 泉誠一