オータムリーグでの早稲田大学は、3試合目にして初白星を挙げた。僅差ながら神奈川大学がリードしていたが、最後の場面で3ポイントシュートを沈めた星川が、62-61で逆転勝利の立役者となった。約3ヶ月間のプロ経験をひっさげ、はじめて臨むリーグ戦だが、早稲田大学では自分のことよりも「4年生にとってはこれが最後。1試合1試合チームのために、4年生のためにがんばりたいです」という意識で戦っている。
オフェンスはチームの役割に徹するだけであり、意識はしていないという星川だが、ディフェンスには執着する。「各チームのエースに対して1on1で守り、ディフェンスで止めたい目標があります。エースキラーと言われるようなディフェンスマンになりたいです」と言い、ブレックスメンタリティがしっかりと育まれていた。
特別指定選手として、プロの空気を吸っただけでうまくなれるわけではない。「ブレックスで習った技術を、このリーグ戦でうまく出すことができず、まだまだ足りないことが多いと痛感しました」という星川は、自らの課題を指摘する。だが、それらを課題として向き合えるようになったことこそが、高いレベルを経験した賜物でもある。
「練習中のドリルなどで、ディフェンスがいない中でも相手をイメージして練習するレベルが上がったようには感じます。今のシュートは試合では打てないなという感覚が身につき、その面での成長が大きかったです」
星川だけではなく、早稲田大学には#15 兪龍海(2年)が三遠ネオフェニックスへ、#12 土家大輝(3年)はファイティングイーグルス名古屋に特別指定選手として体験入部してきた。若き才能たちに対し、チームを指揮する倉石平ヘッドコーチが「がんばってこい」と背中を押し、快く送り出した。プロの空気を吸って習得してきたものを持ち寄りながら、早稲田大学のバスケを進化させている。
コロナ禍により1年遅れでリーグ戦デビューを果たした2年生たち
(1)東海大学 #1 元田大陽
(2)白鷗大学 #2 脇真大
(3)日本大学 #6 野口侑真
(4)拓殖大学 #21 須藤陸
(5)早稲田大学 #13 星川堅信
文・写真 泉誠一