「井の中の蛙というか…自分がすごくちっぽけに感じました」
はじめてのリーグ戦に臨む5人の大学2年生に、コロナ禍でバスケを奪われた期間の心境について話してもらった。自らの課題に取り組みながら、その空白を埋めるべく、いずれも前向きに捉えていたことに安堵する。
近年のBリーグでは、特別指定選手として迎える在学中のティーンエイジャーも増えている。昨シーズンは米須玲音(川崎ブレイブサンダース/日本大学1年)、ハーパー・ジャン・ジュニア(琉球ゴールデンキングス/東海大学1年)の高校3年生が脚光を浴びた。
軒並み大会が開催されず、試合経験を積むことができなかった昨年の大学1年生の中でも5人がBリーグの門を叩き、プロのレベルを体験してきた。1年遅れではじめて迎えた関東大学オータムリーグでは、その成長した姿を見せている。
「プロに行くならば、ブレックスに行きたい」と夢を追ってきたのは、栃木県出身の#13 星川堅信である。昨シーズン、特別指定選手として早くもその夢を叶え、新潟アルビレックスBBを迎えた2021年2月6日のホームゲームで憧れのコートに立った。昨シーズン2位の宇都宮ブレックスに片足を突っ込む、いや足の指先だけ触れてみれば、「井の中の蛙というか…自分がすごくちっぽけに感じました」というのが率直な感想だ。
「ブレックスでは、チームやヘッドコーチが求めることがうまくできなければ、すぐに交代させられるような環境でした。その中で、僕のディフェンスやオフェンスの技術は全然認められるようなレベルではなかったです。『アイツはこういうプレーが得意だよね』と認められるような武器を持つことが大事だということが分かりました」
「エースキラーと言われるようなディフェンスマンになりたい」
コロナ禍で早稲田大学のチーム練習ができない期間、185cmの星川は「大きい選手のブロックの上を越してフローターを決められるようになりたい」とその習得に勤しんでいた。ほぼ各チームに留学生がおり、開幕戦で敗れた筑波大学もビッグマンが揃っている。しかし、まだまだ未完成な状況であり、それを試す機会も訪れていないが、新たな武器を手に入れるための努力を続けている。