全てがプラスになっている明星大学のバスケスタイル
岡田は、1年生のときから地元の愛媛オレンジバイキングスで、特別指定選手としてプレーしてきた。その度に身長やフィジカルの差を痛感させられながらも、「レベルアップはできているのでとても感謝しています」と常に課題を見つけてきた。卒業後の進路もプロ志望であり、「この身長(177cm)なので、自分の持ち味であるシュートはもちろん手応えはありますが、ガードもしなければならない。また、ディフェンスでは相手のガードにプレッシャーをかけなければいけないという役割もあります」と明確になった課題を、このリーグ戦からプラスアルファしていくことも忘れていない。
岡田は北陸高校出身であり、新たなゲームレビューコラムが大好評な石崎巧大先生の後輩にあたる。高校時代から20点オーバーの得点力には定評があった。仲間やライバルたちが1部を選択する中、2部に昇格したばかりの明星大学に心を惹かれる。
「1on1でオフェンスする選手はあまりおらず、関東大学1部リーグを見てもみんなピックを使ってセットしている中で、明星は1on1が中心でした。それが、おもしろいなと思いました。スキルを磨くこともでき、なおかつ1年生からがんばれば試合に出られるので、経験を積めるのかなと思って選びました」
入学した当初を振り返れば、「キャッチ&シュートだけでした」という岡田だが、今では2人や3人に囲まれてもドライブで突破し、ゴールを奪えるようになった。3ポイントシュートのバリエーションも広がった。明星大学に来て学んだ全てが「プラスになっています。明星に来て良かったなぁって思います」とその選択は間違いではなかったことを証明する。
2年前に行われた2部リーグ戦の得点ランキングを見れば、1位が細川一輝(上武大学/現・京都ハンナリーズ)、2位は澁田怜音(駒澤大学/現・滋賀レイクスターズ)、3位の多田武史(拓殖大学※現在1部/現・秋田ノーザンハピネッツ)と続き、いずれも今シーズンのB1でプレーする選手ばかりだ。関東1部に目を奪われがちだが、2部にも良い選手は多くいる。オフェンスを研ぎ澄ましてきた岡田は、どんなに厳しいマークに対しても決め切る自信を持ってチームを引っ張って行く。
文・写真 泉誠一