中学バスケが大きな変革を迎えている。U15世代による「ジュニア・ウインターカップ」第1回大会が2021年1月4日より予定されており、目下各地で予選が繰り広げられている(※2020年3月のプレ大会はコロナ禍により中止)。中学校に属する部活動だけではなく、BリーグのU15ユースをはじめとしたクラブチームも参加し、真の日本一を決める大会がはじまる。
11年間のbjリーグを全うした青木康平氏(※東京アパッチやライジング福岡などで活躍し、2016年に引退)が、現役時代に開校したWATCH&Cアカデミーは早12年目を迎えた。東京で設立した当初は佐々木クリス氏や稲垣敦氏もコーチとして参加し、福岡にある今は東京アパッチ時代のチームメイトである木村実氏やNBAサンアントニオ・スパーズのアスレティック・トレーナーとして活躍されたダイス山口氏が名を連ねている。卒業生の伊藤治矢氏はNCAAディビジョン3のユーリカカレッジでプレーした後、現在はセント・ジョゼフ大学(D3/スラムダンク奨学生の木村圭吾選手が今シーズンより在籍)でコーチとしての道を歩みはじめている。
中学バスケの変革に足並みを揃えるように、スクールに加えて昨年よりクラブチームを発足。男子チームは、昨年のクラブ全国大会(第8回U15ジャパンクラブバスケットボールゲーム大会)に出場し、今年9月に行われた福岡県U15クラブバスケットボール大会では優勝を飾っている。今年から女子チームも結成し、同大会で準優勝の好成績を収めた。残念ながら、ジュニア・ウインターカップ予選はいずれも1回戦で敗退となったが、「理想通りに進んでいます」という青木氏は後進の育成に手応えを感じている。
技術よりも、バスケに取り組むマインドに注力
WATCH&Cは初心者から受け入れるアカデミークラスと、実践的な練習でレベルアップを目指すアドバンスクラスの2つのスクールが軸となる。アカデミークラスは「1on1でシュートを狙いに行ける技術向上を目指しています。フロントチェンジやレッグスルー、ビハインド・ザ・バックなどドリブル技術の習得や、トップスピードからしっかり止まってプレーできることも大事にしています」。アドバンスクラスでは「3on3〜5on5の対人形式を中心に、少しだけフォーメーションを加えて、バスケの動き方のアイディアを教えています」というのが指導方針だ。それらに加えて男女U15・U12クラブチームを発足し、トライアウトによって選出されたメンバーのさらなる育成を図っている。
「クラブではもちろんフォーメーションも必要になり、すでにアドバンスクラスで導入部分を学んでいるからこそ理解度は高いです。その分、楽にクラブを進められているというのは実感しています」と青木氏は言い、スクールから一貫した育成環境を実現する。立ち上げまもないクラブにも関わらず、「高校の先生たちから『今後はクラブの時代になってくる』と話されており、その認識が強くなっています」と風向きの変化を感じていた。実際、WATCH&Cの練習には、強豪高校のコーチがスカウトに来る機会が増えたそうだ。