── 終盤に追い上げられる展開になる中、稲見選手が3Pシュートを決めて良い形で勝利を収めました。どんな指示を送っていたのでしょうか?
接戦になることも想定していたので、そんなに慌てることなく遂行できていました。この試合は、関矢(和冬)選手がものすごくがんばっていましたので、用意していたのとは少し違うラインナップになってしまいました。そのあたりは僕自身の準備不足もありましたが、最後はしっかり稲見選手が3番ポジションで出て活躍してくれました。今までは外のシュートがない選手でしたが、彼はこれまで来る日も来る日も練習前後に3Pシュートの練習をしてきましたので、二村選手と稲見選手の4年生同士の信頼関係から生まれたプレーだと思います。あの場面は僕が信じていたこと以上に、彼らが普段やってきた練習の姿勢や、どうすれば勝てるかを常に考えてきた結果があのプレーを生み出しました。その結果、稲見選手が良いシュートを決めてくれました。本当に4年生の力のおかげです。
── 小倉監督が指示を出しているのを遮るように話をはじめたり、タイムアウトの時間をオーバーするような場面もあり、熱さが感じられました。どのようなコーチ像を目指して、新たな一歩を踏み出したのでしょうか?
小倉監督もだいぶ優しくなってきているので…(笑)。その分、僕は引退して間もないですし、選手たちとの距離もすごく近いので、熱く接することで彼らも勢いに乗ってくれるときがあります。練習中から選手よりも声を出すようにしていますし、選手たちにとってはいつも通りだと思っています。
ミニバスからBリーグまで、いろんなコーチの下でバスケをしてきました。やっぱりコーチングとしてバスケの技術を教えることも大事ですが、ひとつのものに対して熱くなれるという姿勢をコーチの方から見本になることによって、彼らが少しでもその熱さに後押しされながら戦ってくれれば良いと思っています。今まで習ってきたコーチの方々もバスケに情熱を持った素晴らしい方々ばかりでした。その教えてもらってきたことに少しでも追いつくためにも、そこを基本にしています。