オータムカップ2020は佳境を迎えている。11月7日(土)の最終日を前に、1部下位4チームの順位が確定した。
決勝:大東文化大学 vs 東海大学
3位決定戦:筑波大学 vs 白鷗大学
5位決定戦:日本体育大学 vs 専修大学
7位決定戦:日本大学 vs 青山学院大学
9位:中央大学
10位:神奈川大学
11位:拓殖大学
12位:早稲田大学
大学日本一を決めるインカレには、関東から12チームが出場する。例年はリーグ戦を行った後、1部下位2チームと2部上位2チームが入れ替わって関東代表となる。しかし、コロナ禍によりリーグ戦が中止となったことで、2部にとっては大きなチャンスが巡ってきた。オータムカップ2020の1部下位4チームと、2部上位4チームによる一発勝負の「インカレ・チャレンジマッチ2020」でその出場権が争われる。決戦は11月13日(金)、熱い戦いになりそうだ!
2部トーナメントは2日目が台風で順延となり、シードの4チームは10月25日にようやく今シーズン初の公式戦を迎えた。すでに1試合を消化した1回戦勝利チームと、その戦いをスカウティングして臨めるシードチームのどちらが有利なのかに注目していた。
「とにかくバスケが大好きです」明治大学 #34 富田一成
1部から降格したシードの明治大学にとって、上武大学は未知の対戦相手と言える。延期となったことで十分に対策ができ、前半を終えて47-31と明治大学がリードする。キャプテンの富田一成(4年)が連続3Pシュートを決め、勢いづけた。しかし後半開始早々、その富田と若月遼(2年)が立て続けに3つ目のファウルを取られ、ベンチに下がると流れが一変する。
「審判の笛に少し対応しきれなかった部分があり、そこは反省点です」という富田は、やはり試合勘が戻っていない。追い上げを見せた上武大学だったが、フリースローに泣いた。30本中半分しか決めることができず、逆に明治大学はファウルアウトせずに我慢し、82-76で辛くも初戦を突破した。
「昨年からずっと言ってきたことですが、5人全員でリバウンドを取りに行き、そこから自分たちのバスケをしようと心がけています。今後も相手には留学生がおり、自分たちよりも大きいチームとの対戦になるので、そこは徹底していかなければいけないです」と富田は気を引き締める。
公式戦が行われるかどうか分からなかった中でも、「プレーするのはもちろんですが、見るのも大好きなので、見ていたらバスケがしたくなります。ただただバスケが好きでやっているだけ。モチベーションが下がったことはこれまで一度もないですし、ずっと高い状況のままです」と富田は笑う。4年生にとって、ようやく本気で楽しめるラストシーズンがやって来た。
「2部で勝つのは当たり前」法政大学 #34 濱田裕太郎
昨年は1部に返り咲いたが、1年でふたたび降格となった法政大学がシードで登場。 濱田裕太郎(4年)の3Pシュートを皮切りに、戸井堅士朗(4年)、小野怜史(3年)の1部を経験した上級生たちの活躍で、20点差を開いてゲームは進んで行った。しかし終盤、順天堂大学の大野勇哉(4年)が次々と得点を挙げ(この日38点をマーク)、猛追を見せる。点差が離れてすでにベンチに下がっていた濱田は、「相手はすでに公式戦を1試合戦っていましたが、僕らも強いチームと練習試合をする機会が多くあり、特に不安はなかったです」と仲間たちを信じて、勝利の瞬間を見届ける。82-67で法政大学が振り切り、ベスト4進出を決めた。
今シーズン初の公式戦は単なる初戦ではなく、この試合で負ければたった3試合で引退を余儀なくされてしまう。ハーフタイム時、法政大学のベンチからは“引退試合”というキーワードも聞かれ、それは順天堂大学にとっても同じであり、どちらも負けられない。「僕らは2部で勝つのは当たり前という気持ちで準備してきました」と濱田は言い、1部を経験してきた自信と降格した悔しさを糧とし、勝ち切った初戦でもあった。
見据える先はインカレ出場を懸けたチャレンジマッチであり、「今日のようなプレーを継続していきたいです」とここから這い上がっていくだけだ。