── フルフルワクワクするチームから多くのBリーガー生まれました。それだけではなく琉球ゴールデンキングスのヘッドコーチを務めた佐々宜央(現宇都宮ブレックスサポートコーチ)をはじめ、チームのマネジャーやアナリストとして活躍する者、高校界では入野貴幸(東海大諏訪)、原田政和(東海大相模)、稲葉弘法(つくば秀英)、原田裕作(飛龍)、養田達也(佐久長聖)など優秀な指導者も輩出しています。このことについてどんな感想をお持ちですか?
卒業生たちが自分が選んだ道で活躍しているのはもちろんうれしいことです。私は大学の4年間は人生の土台作りをする期間だと思っています。それはバスケットの土台であると同時に生き方の土台です。バスケットの土台で言えば、うちには優れたチームスタッフがいて、体を作る専門的なトレーニングもたくさん行います。その上でスキル。ここからが私の出番ですが、ディフェンスであったり、ピック&ロールであったり、速攻であったり、判断力であったり、そういったベースになるものをしっかり身に付ける。ベースが身に付いた選手はどこに行っても重宝がられます。たとえスタートでなくても頼れるバックアップになれる。だから私の指導の根底には「どこに行っても困ることなく、対応できる選手になってほしい」という気持ちがあります。
また、ヤナイさんに言われた「心と技術の山を登りなさい」という言葉ですが、この2つの山は個人でも登れるんです。ただその先にあるチャンピオンの山は1人では登れません。仲間と助け合って、引っ張り合って、切磋琢磨して登っていく山なんです。これは人生も同じだと思うんですね。どんなに優秀な人でも何かをなし遂げるには周りの力が必要です。私は4年間を通してバスケットを指導しながらそうしたことも教えたい。人としての謙虚さや思いやりや、そういうものですね。さっき言ったバスケットの土台と同時に人としての土台を作って、選手たちを社会に送り出したいと思っています。