しかし、専修大学戦は66-76で敗れる。「2年連続で専修大学に負けて、それが直接的な敗因というわけではないですが、昨年は自分がレイアップを落としたせいで負け、今年もブラ(グロリダ)が抜けたあとのフリースローを決めきることができませんでした。自分の努力不足です。最後は力になれなかった」と悔やむ荒谷だが、ケガを乗り越えて戦力として戻って来たからこそ、最終日まで残ることができた。
大東文化大学との3位決定戦には、準決勝で負傷したブラ・グロリダ(帝京長岡高校)が出場できなかった。代わりに先発を任された荒谷こそ、彼の心境を一番理解している。
「シェッハが最後の年なのにケガで出られない中、同じ留学生のブラが一番強い気持ちを持って今大会に臨んでいました。それなのに、最後の試合はブラもケガをしてしまいました。リハビリのつらさや悔しい気持ちも分かっているので、彼らの思いを背負ってプレーし、ブラやシェッハに応援してもらえたら良いと思って最後の試合に臨みました」
しかし結果は80-90で敗れ、4位に終わった。網野ヘッドコーチは、「お互いに4年生の気持ちが見え、西山(修人)が活躍し、シェッハをコートに立たせることができたことが一番良かった」と最後の試合になった4年生たちを称える。西山は9点、最後の場面でコートに立ったシェッハは2本のダンクを決めた。いや、決めさせてもらったと言った方が良いだろう。すでに結果が決まっていた時間帯であり、大東文化大学の選手たちが花道を用意してくれた。逆に白鷗大学も、準々決勝で負傷した大東文化大学4年生の高木慎哉(北陸高校)にシュートを決めさせる微笑ましいラストゲームとなった。
ケガから復帰し、久しぶりとなった真剣勝負は「率直に楽しかったです。インカレまでに練習試合をすることはできていましたが、一つひとつのプレーに対し、会場が沸いてくれたり、反応してくれる公式戦はやっぱり違うなと思いました」。
3年生の荒谷にとっては、「結局リバウンドとフリースローが勝負を分ける。その基礎的な部分での詰めが甘かったと思います」とインカレを通じて課題が見えた。来シーズンへ向け、「もう一度みんなでその基礎的な部分から努力していかなければならないです」。白鷗大学は51人もの大所帯であり、Bチームから這い上がってきた選手も少なくはない。「来年に向けてまた全員での練習からスタートします。Bチームのメンバーも含めて、みんなで競い合って、一番良いメンバーで新チームを作っていけるようにしたいです」と切磋琢磨していく。
「来年はラストシーズンですし、チームとしてもインカレの決勝に行ったことはないので、そこを目標にひとつひとつ積み上げていきたいです」
ケガをしないための身体作りを行うトレーニングとともに、しっかり進級や卒業できるよう、学業にも専念するオフシーズンがやって来る。
文・写真 泉誠一