“打倒!関東”を目標に掲げ、第71回全日本大学バスケットボール選手権大会(以下インカレ)に乗り込んできたチームは多い。名古屋学院大学もそのひとつであり、神奈川大学戦に挑んだ前半は34-34の同点で折り返す。その後もお互いに譲ることなき、シーソーゲームが続いた。
名古屋学院大学は198cmの王ウェイ嘉(中部第一高校)が長身を生かし、リバウンドを獲ってチャンスを作る。鈴木空(桜丘高校)や村鳥匠(誠信高校)が得点を重ね、残り3分を切った時点で63-58とリードしていたのは名古屋学院大学の方だった。しかし終盤、ディフェンスの強度を上げた神奈川大学の前に得点が止まる。逆に、小針幸也(桐光学園高校)と緒方堅也(北陸高校)に連続3Pシュートを許し、63-68であと一歩及ばず、“打倒!関東”の目標達成は持ち越しとなった。
「相手には75番のエースがおり、インカレまでの1ヶ月はそこをどう止めるかを課題にして取り組んできました」と泉まどか(愛産大工業高校)は言う。75番をつけた神奈川大学のエースは、注目を集めた小酒部泰暉(山北高校)だ。
「自分がどう守ろうかと考えたときに、シュートがうまい選手なので、どれだけタフショットにさせるかということを意識していました。(抜かれても)がんばって後ろからでもついていきましたが、小酒部君に対する神大の他のメンバーのスクリーンのかけ方が上手で、そこからずらされてしまいました。やっぱり小酒部君の能力はすごかったです」
泉も負けず劣らず身体能力が高い選手であり、「走ることや飛ぶことを武器にしています」というマッチアップは見応えがあった。「でも、相手の方が大きく、身体能力もやっぱり上でした」と続け、小酒部には23点を許している。ファウルトラブルに陥り、最後までガマンしたが終了間際に退場となった。泉がベンチに下がっている時間帯は、2年生の栗山友稀(土岐商業高校)や村鳥がマークする。小酒部も含めたこの4人は、いずれも高校時代に全国大会へ出場した経験がない。