自分たちのバスケを信じて日本一へ挑戦
リーグ戦を振り返り、「勝てた試合は、出だしから自分たちのリズムで持って行けたことが多かったです。逆に負けた試合は、自分たちがやるべきことが定まらず、チームがバラバラになってしまっていました。でも、そういうときこそチーム内で話し合ったことが成長につながり、この結果にもつながったと思います」と磯野をはじめ、全員が自信に変えている。
ベンチや応援席が盛り上がり、勢いづけば強いイメージが日本体育大学にはあった。藤田ヘッドコーチは、「その勢いをつかむために我々が何をしたかというところが大事。彼らが練習中からチームとして、また選手同士で決めたそれぞれの約束をコート上でしっかり表現できるようになった」と話すように、着火するための努力が欠かせない。15勝7敗の成績が、勢いだけではないことを証明している。
今シーズンがはじまった当初、「自分たちの持ち味を1部の試合でも生かせれば良い」とキャプテンの#3 大浦颯太(4年)はこれまでと変わらぬスタイルを貫き通す。磯野も同様に、「昨シーズンとやってきたことは変わらないです。今までやってきたことを見つめ直し、もっと丁寧に遂行できるようにしているだけで、基本に忠実なバスケを心がけていました」。ディフェンスをベースに速攻を出し、セットオフェンスでも流れるような速いパス回しで相手を攪乱し、勢いづけていくのが日本体育大学の強さである。
関東4位の実力を示し、今年は追われる立場になるかもしれない。しかし、磯野は「昨シーズンは筑波大学に2回戦で敗れ、僕らはまだインカレで勝っていったわけではないです」と気を引き締め、チャレンジャーとして目標に掲げてきた日本一に挑む。
今年のインカレ特設サイトがオープンし、ヘッダー写真には大学界を代表する選手が並んだ。しかし、その中に4位シードの日本体育大学の選手の姿はなく、上位チームとともに5位筑波大学と6位東海大学の選手が起用されているのも、何も成し遂げていない現状の表れか。過去14回の優勝を誇る伝統と2部でもがき続けた悔しさをミックスさせ、新時代を切り拓く。
リーグ最終日を締めくくるダンク🔥
ピッチピチのカツオダンクをブチかました磯野 寛晃(日本体育大学4年/SF/185cm/直方高校)🐟💥@hiroaki_0311 #オータムリーグ #大学バスケ pic.twitter.com/7R4HsSgVyg— CSPark (@CSPark_JP) November 10, 2019
文・写真 泉誠一