下を向いたときこそ引っ張り上げてくれた4年生の大きさ
4年生にとって入替戦の終了は、同時に大学バスケの引退を意味する。キャプテンの#42 加藤智也は「やっぱり勝つことが楽しい。今シーズンはそれが多かったことでずっと楽しかったし、悔いはない」。#5 栁澤優は「リーグ戦を通して消化試合が1試合もなく、ずっと昇格争いに絡むことができたのははじめてのこと。未来は明るい」と4年生から後輩たちへのメッセージが続く。
「そういうのは苦手です」という自称生意気な下級生である田代に、先輩たちに向けた感謝の言葉を聞いてみる。
「4年生はみんなやさしかったです。僕も含めて下を向く下級生が多かったですが、いつも慰めてくれて、チームを引っ張ってくれました。やっぱり4年生の背中は大きかったです。終わってしまった今、あらためて感じますね」
1部昇格へ向け、佐藤コーチはこれまで以上に厳しく接してきた。その度に下を向くことが多く、「チームとしてバラバラになりかけたこともありました」とつらいシーズンでもあった。それを食い止めたのが4年生たちであり、全員で声を掛け合ったことで「メンタル面で成長でき、チームとしてまとまったことが大きかったです」と田代は胸を張る。リーグ戦序盤はベンチスタートだったが、4戦目から先発に抜擢され、田代自身にとっても大きく成長できた。
「僕は目立つプレーヤーではなく、結構地味ですが…。確実なプレーや冷静な判断をしながら自分の役割が明確になり、それを実行できはじめたことが大きかったです。点を獲ることもそうですが、それ以上にディフェンスを徹底することや、まわりの選手を生かしたりスペーシングをしっかり取りながらチームをコントロールすることが役割だと感じました」
ポイントガードとして、「神奈川大学のディナイがすごく強いということは分かっていました。それに対して、いろいろ策を考えていましたが、思っていた以上に相手の圧力を打開することができなかったです」と入替戦ではチームをコントロールしきれなかったことを反省する。だが、それも経験しなければ分からなかった。この2試合で得られた課題を克服するためにも、さらに高いレベルで練習に取り組まなければならない冬がやって来る。