2部の戦いでは絶対に分からなかった気持ちの差
今年5月、関東大学スプリングトーナメントで東洋大学の佐藤信長コーチは、「もしかすると今年が一番チャンスかもしれない」と話していた。その言葉どおり、関東大学オータムリーグ2部では2位の中央大学とたった1ゲーム差で3位となり、自動昇格は逃したが入替戦に望みをつなぐ。
3戦2先勝方式で1部10位の神奈川大学と対戦。1戦目は東洋大学がリードしていたが残り20秒で逆転されて67-70、接戦を落とした。後がなくなった2戦目は、神奈川大学に先行される。第3クォーターに44-50と6点差まで追い上げたが、その後はミスから少しずつ点差を引き離され、55-67で力尽きた。1部昇格のチャンスをつかむことはできなかった。
「神奈川大学は2部のレベルとは全然違いました。フィジカルはもちろん、リバウンドやルーズボールなど泥臭い部分に対する気持ちが強かったです。それは、2部での戦いでは絶対に分からなかったです。今までの東洋大学では経験して来なかったような気持ちの差を感じました」
2戦目にチーム最多の13点を挙げた#14 田代幹は、そう敗因を挙げた。佐藤コーチも「経験の差」を痛感している。
「東洋大学創部以来、ここまで来たことがはじめてです。他のチームは伝統や経験があります。逆に我々は、ここまで来てしまったけどどうしようという戸惑いがあったかもしれません。1戦目は最後にその差が出てしまいました。(2戦目の)今日に限って言えば、やはり勝たなければいけないプレッシャーもありました。勝ちにつなげられなかったのはコーチの責任です」