初優勝とともにリーグ戦を勝ち続ける難しさも経験した大東文化大学
大東文化大学がオータムリーグ初優勝を決めたのは、2週間前の10月27日だった。開幕戦で青山学院大学に敗れたが、その1敗を守りながら一気に17連勝し、残り4試合を残してリーグ制覇を成し遂げた。強度の高いフルコートディフェンスを武器とし、「どこにでも勝てる自信がつきました」と西尾吉弘ヘッドコーチはその要因を挙げる。しかし、優勝を決めた後は1勝3敗、最終戦も専修大学に77-84で敗れた。
「本人たちががんばっていないわけではないですが、どこかワンプレーワンプレーが軽くなってしまいました。優勝したあとにリーグ戦を勝ち続けることの難しさも経験させてもらいました」(西尾ヘッドコーチ)
様々な経験をしたチャンピオンは、リーグ戦で得たものをしっかりと積み上げていくだけだ。2年ぶりの日本一を目指し、初の第1シードで向かうインカレ(第71回全日本大学バスケットボール選手権大会)は12月9日(月)より開幕する。組合せ抽選会は11月16日(土)に行われる。
劇的ブザービーターで勝利した明治大学だったが…
早々に優勝チームは決まっていたが、順位争いは混沌としていた。朝10時から立て続けに行われた2試合は、いずれも残留を争う同士の対戦となる。どちらも勝利すれば望みがつながる11位の明治大学vs12位の法政大学戦は、前半は38-22と法政大学が大きくリードする。しかし後半、明治大学が猛追していった。60-60で迎えた法政大学のラストプレーはシュートまで持って行けず、バイオレーションで明治大学に攻撃権が移る。明治大学はそれまで3Pシュートの精度を欠き、22本放ちながら#17 常田耕平(2年)の1本しか決まっていなかった。左45度、明治大学のベンチ前から#35 富田一成(3年)が放った3Pシュートが、仲間たちの思いとともにネットへ吸い込まれていきブザービーター。63-60、劇的な勝利で明治大学が勝利し、首の皮一枚がつながった状態で、続く神奈川大学vs早稲田大学戦の結果に委ねる。
5勝を挙げ、1歩リードしていた神奈川大学は負けても自動降格はない。「勝てば次につながり、負ければ今日で終わる。シンプルに気持ちを作ることができました」と#39 桑田裕平(4年)が言うとおり、イニシアチブを取ったのは後がない早稲田大学の方だった。平均25点を挙げ、得点王となった#75 小酒部泰暉(神奈川大学3年)に対し、「得点を獲られるのはしょうがないです。でも、今まで20点以上を獲られたうち、どのプレーでやられたのかを検証し、今日は3Pシュートと簡単なレイアップは絶対に打たさないように指示しました」という吉岡修平ヘッドコーチの作戦通り、桑田や1年生の#1 神田誠仁が徹底マークする。その結果、得点王は平均を下回る17点に終わり、3Pシュートは8本打ったが1本しか決められなかった。レイアップも1本に留まり、早稲田大学の作戦が功を奏し、71-58で完勝。神奈川大学との順位が入れ替わり、9位でリーグ戦を終えた。最後まで神奈川大学を応援していた明治大学だったが、この時点で自動降格が決まってしまった。