留学生の#12 シェッラ ママドゥ(3年/200cm)と#23 ニャシ ババカー(1年/202cm)はいるが、190cm台の選手がいない小さなチームである。その中において、パワーフォワードの福田晃平(2年)は185cmながらリバウンドランキング4位(平均9.7本)。その上はママドゥをはじめとする留学生ばかりの中で健闘している。「みんなの負担を減らしたいし、試合に出ている中では2番目に大きいので、そこはがんばるようにしています」と役割に徹し、延長戦を制した江戸川大学戦では17本を奪った。
「チームには二人のシューター(神谷・岡田)と大きいインサイド(ママドゥ)がいて、良いガード(新田)もいます。その中で、4番ポジションとして自分がリバウンドをがんばったり、ママドゥの負担を減らしたり、ディフェンスでは誰よりも動いたり、ダブルチームに率先して行ったり、みんなができないことを一生懸命やりたいと思っています」(福田)
小さくても身体を張り、リバウンドに絡んでいくプレーが勝利を呼び込んでいた。
「どんな環境でも輝くことができなければ、一流にはなれない」
2部に昇格したことで、リクルートにも変化があったと柴山ヘッドコーチは明かす。その背景には「やっぱりBリーグができたことが大きいのかもしれません」と選手の意識が変わった影響もある。
「プロを目指したいという選手がすごく増えました。プロができ、そのレベルを間近で見ているからこそ、必死でがんばらなければならないと選手たちが感じ、練習の質が変わりました」
高校生たちにとって魅力あるチームとなり、Bリーグへの架け橋になるためにも結果が求められる。
入学時は3部だった新田にとっては、明星大学を自らの力で昇格させ、日本一を決めるインカレに照準を合わせるまでに視界を広げてきた。桐光学園の恩師である高橋正幸監督から教わった「どんな環境でも輝くことができなければ、一流にはなれない」という言葉を胸に、一つひとつクリアしながら着実にステップアップしながらプロを目指す。
小さくても常にペイントアタックし、ディフェンスとリバウンドはみんなでハッスルする明星大学。「そのスタイルで負けたらもう仕方ないと割り切れるほど浸透していますし、良くなっている点です」と柴山ヘッドコーチは言い、やるべきことは明確である。選手たちもそのプレーを求めて集まって来たからこそ、チームとしての理解度は高いことも結果につながっている要因だ。
リーグ戦も残るは6試合。上位2チームは1部へ自動昇格となるが、2位の中央大学とは4ゲーム差あり、直近の試合で負けている。「なんとか4位に入って1部のチームへのチャレンジゲームがしたい」と柴山ヘッドコーチは言い、昨年とは違うポジティブな入替戦出場を目指している。
文・写真 泉誠一