「そう、NBAであってもこんなに基本的な練習をやっているんだということを参加された方にも分かってもらえたと思います。ディフェンスで手を挙げることやしっかり足を動かすこと、パスを丁寧に出すことなどドゥエインコーチが指摘するのは本当に基本的なことばかりです。でも、そこを徹底するのがNBAであり、ドゥエインコーチの指導なんです。大きなことではなく、やっぱり細かい部分が大事になります」
ケーシーコーチと佐藤コーチは師弟関係にあり、軸丸が感じたように指導方法の根幹は同じである。「チームのレベルが違うので全く同じ練習ではないですし、もちろん細かい部分は違いますが、僕もドゥエインコーチからいろんな話を聞いてきたので大まかな考え方は同じです。なので、選手たちもだいたいの練習は対応できていました」と佐藤コーチは言い、その指導を受けた女子バスケットボール部の選手たちがクリニックで見せたプレーもまた見事であった。
ケーシーコーチのクリニックが行われた3年前と同じ流れに ──
ミネソタ・ティンバーウルブスからはじまり、トロント・ラプターズでチーム最多勝利記録を樹立してコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞。昨シーズンからデトロイト・ピストンズで指揮を執り、早くもプレーオフに返り咲かせ、その手腕をNBAという最高峰の舞台で発揮し続けている。その活躍に対して佐藤コーチは、「まさかNBAのヘッドコーチになるとは思っていませんでしたし、それがコーチ・オブ・ザ・イヤーですからね。トップ・オブ・ザ・ワールドになったんだなと思っています。逆に僕は日本で何をしてるんだろう」と苦笑い。しかし、すぐさま上を見上げて、こう言った。
「でも、彼にとっての最初のアシスタントコーチは私であり、最初で最後の日本人アシスタントコーチとしてのプライドがあります。ドゥエインコーチに見せて恥ずかしくないチーム作りをモットーにしています。彼ががんばればがんばるほど、僕にとっても良いプレッシャーになっています」
立場や環境は違うかもしれないが、指導方法同様に目指すところは変わらない。今、佐藤コーチが狙えるのは大学日本一であり、一人でも多く世界に通用する選手を輩出することだ。今年6月、女子日本代表に選出されたOGの林咲希(JX-ENEOSサンフラワーズ)はベルギー代表戦で大活躍し、MVPを受賞した。
その林が4年生のとき、白鷗大学はインカレを制し、初の日本一に輝いた。3年前のことであり、そのときもケーシーコーチのクリニックが行われた。「それはみんなも言っています」と軸丸をはじめ、チーム全員が意識している。
「ドゥエインコーチが来たからこそ、同じような結果にならなければいけないね、とみんなとも話しています。がんばります!」
デトロイト・ピストンズ/ドゥエイン・ケーシーヘッドコーチ
忠誠心と友情で日本にやってきたNBA コーチ・オブ・ザ・イヤー(前編)
忠誠心と友情で日本にやってきたNBA コーチ・オブ・ザ・イヤー(後編)
文・写真 泉 誠一
白鷗大学 https://hakuoh.jp
【経営学部・法学部・教育学部・大学院経営学研究科・大学院法学研究科】
所在:栃木県小山市
バスケットボール部は男子・女子ともに関東1部所属の強豪校
多くのプロ選手、アスリートを輩出しています。
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