1部昇格を決めたことで見られる意識の変化
昨シーズン2部から1部リーグへ昇格を決めた日本体育大学は、幸先の良い新シーズンのスタートを切った。スプリングトーナメント(第68回関東大学バスケットボール選手権大会)では次々と1部チームを倒していく。青山学院大学を83-67で圧倒してベスト8入りを果たす。準々決勝で筑波大学に敗れたが、日本大学に84-82で競り勝ち、最終戦はインカレチャンピオンの東海大学に89-86の逆転勝利をおさめ、5位で大会を終えた。
東海大学戦を前に、藤田将弘ヘッドコーチは「相手はタレントが揃っており、個々の能力が違う部分に不安があった」のが正直なところである。しかし、「チーム力では我々だって負けていない」と鼓舞し、大学日本一に立ち向かう。劣勢に立たされながらも諦めずに戦い抜いた結果、個人能力の高さに対してチーム力で上回れることを証明した。
「脚力がある選手ばかりなので、それを十分に生かすスピードバスケットをしたい」と藤田ヘッドコーチは、7年ぶりとなる1部リーグへ向けて準備してきた。春先から練習試合を行っていく中で、「1部で戦うためには『守らなければ勝てない」と選手たち自身が自発的に声を挙げていた。その部分がこのトーナメントでも良いディフェンスができるようになった」と明かし、意識の変化が見られている。
東海大学戦ではキャプテンの大浦颯太(4年)が自ら作戦盤に書き込み、最後の勝利に向けて確認をしていた。「リーダーシップをしっかり取る選手になってくれている。大浦以外にも、学年関係なく自分の意見やチームのゴールに向かっていく集団になっている」と藤田ヘッドコーチは自信を持つ。2部リーグのときには目立っていたミスが軽減されているのも、意識の部分が大きく作用していると言えよう。