江戸川大学の伝統『ハードワーク』
関東大学2部リーグの江戸川大学は、昨シーズン12チーム中6位(12勝10敗)の中堅クラス。2部のチームにとって最大の目標は1部昇格であり、江戸川大学もそこに照準を合わせる。今シーズンよりアシスタントコーチから昇格した粂川岳勤ヘッドコーチは、「これまでオフの期間が長かったですが、今シーズンは少し早めて準備してきました」と目標に向かってスタートを切る。悲願のベスト16入りを目指したスプリングトーナメント(第68回関東大学バスケットボール選手権大会)だったが、その壁を乗り越えることはできなかった。
初戦は國學院大学(3部)を100-55と圧倒する。昨シーズン、同じ2部だった法政大学には63-73、73-78と僅差の試合をしていた。しかし、1部昇格を決めた法政大学に46-83と圧倒されて完敗。それでもフルコートディフェンスで最後まで諦めない戦いを見せた。それこそが江戸川大学の伝統でもある。
「僕もこのチームのOBですが、スター選手や能力がある選手をなかなかリクルートできない状況です。では、何を軸にするかといえばやっぱりハードワークすること。それをコンセプトに掲げています。法政大学戦は点差こそ離れてしまいましたが、40分間戦い続けることはできていました。しかし勝てなかったことも事実なので、もっと練習していかなければならないです」
粂川ヘッドコーチは165cmと小柄ながら現役時代はがむしゃらに走り、ディフェンスでハードワークしていた姿を思い出す。自らの経験を生かし、江戸川大学の改革につなげている。
「自分もプロで3年間、3チーム(TGI D-RISE~アースフレンズ東京Z~サイバーダインつくばロボッツ※現茨城)でプレーさせていただきましたが、やはりディフェンスの強度はどのチームのコーチも仰っていました。オフェンスのシステムが変わったりすることはありますが、強度についてはずっと言われ続けていることです。Bリーグでも、今の流行であるインテンシティやエナジーという言葉が使われており、まさにその通りです。アルバルク(東京)や栃木(ブレックス)、千葉(ジェッツ)はハードなディフェンスからブレイクを出すことができるチームであり、その部分は学生でもマネができると思っています」