スプリングトーナメント(第68回関東大学バスケットボール選手権大会)はクライマックスを迎え、5月5日(水元総合スポーツセンター体育館)には今シーズン最初のチャンピオンが決まる。4強入りした筑波大学の吉田健司ヘッドコーチ(元東芝レッドサンダース)や白鷗大学の網野友雄ヘッドコーチ(元栃木ブレックスなど)をはじめ、Bリーグの前身リーグで活躍した往年の選手が指揮官となって大学バスケに携わっている。ベスト16を懸けた戦いで敗れた中にも玉川大学(3部)の板倉令奈ヘッドコーチ(元アルバルク東京など)、江戸川大学(2部)の粂川岳勤ヘッドコーチ(元茨城ロボッツなど)、東洋大学(2部)の佐藤信長ヘッドコーチ(元アイシン精機など)が大学バスケで新たな挑戦を行っていた。
青春を謳歌する熱き戦い
「全員が想像して以上に良い試合はできました」
ヘッドコーチとして2年目を迎えた板倉ヘッドコーチ率いる玉川大学が、スプリングトーナメントで爪痕を残した。
昨シーズン、新たに指揮官として就任した板倉令奈ヘッドコーチが上を目指すのは当然である。しかし、現在3部の玉川大学は上昇志向の選手がいれば、楽しんでバスケをしたいだけの場合もあり、目標設定の違いに退部する上級生がいなかったわけではない。新米ヘッドコーチの思いが少しずつ浸透し、2シーズン目を迎えた最初の真剣勝負では、チームとしての成長が見られている。八村塁(ゴンザガ大学)とともにウインターカップ3連覇を成し遂げた明成高校出身の#23増子優騎キャプテン(4年)を筆頭に残った上級生たちが引っ張り、自らリクルートしてきた1・2年生が力を発揮した。
「大学まで来て、もう一回部活を通して青春を謳歌するわけです。その価値を常々ミーティングでは言ってきたことで、これだけ熱い試合ができたのではないかと思います」