Text & Photo by Seiichi Izumi
4月23日より関東大学バスケットボールに加盟する1部~5部まで、全97チームが出場する『第65回関東大学バスケットボール選手権大会』、春のトーナメントが開幕する。新人戦、秋に行われるリーグ戦とともに関東勢がタイトルを争う大会であり、新チームになってから最初の大会。これら3大会を勝ち抜いて、日本一を決める冬のインカレへと大学バスケシーズンはつながっていく。
今年もインカレ2連覇中の筑波大学と、トーナメント2連覇中の東海大学が関東勢を引っ張る形は変わりなさそうだ。しかし、前編でご紹介した拓殖大学と、今回登場する青山学院大も昨年のインカレベスト4チームであり、虎視眈々と頂点を狙っている。
新年度が始まったばかりの中、春の嵐が吹き荒れる可能性があるトーナメント。昨年も2部の大東文化大学、日本大学(今年は1部昇格)、中央大学がベスト8入りを果たした。観戦者にとっては一発勝負&アップセットが期待される楽しさがあり、チームにとっては恐さが見え隠れする最初の真剣勝負だ。過去8回、春のトーナメントを制した青山学院大学を紹介しよう。
■青山学院大学:廣瀬 昌也 ヘッドコーチ
関東大学1部リーグ(昨年の成績/関東トーナメント4位、関東リーグ戦4位、インカレ4位)
──今シーズンのチーム状況はいかがですか?
廣瀬:1on1からフィニッシュに行くところを伸ばしています。組織で組み立てるプレーも必要ですが、やはり1on1の力をつけさせたい。それはチームのためでもあり、彼らの将来のためでもあります。フィニッシュに行くためのシュートやドライブなどのファンダメンタルは、昨年よりも多く取り入れています。でも、現時点ではまだまだです。
──廣瀬ヘッドコーチ体制となり3年目を迎え、ご自身がリクルートしてきた選手が増えたことで何か変化はありますか?
廣瀬:今の4年生はまだ長谷川(健志)さん(現男子日本代表ヘッドコーチ)が、ヘッドコーチをされていた時に1年生だった選手たちです。この4年生たちがしっかりしており、バスケットを考え、しっかりしゃべりながら、チームをうまくまとめてくれています。今年はこの4年生たちが中心となるわけですが、来年以降のことを考えると下級生をうまく使いながら戦っていかなければなりません。
──改めて今年の青山学院大学のスタイルとは?
廣瀬:昨年もみんなが頑張ってくれたディフェンスは、引き続きベースとなるところです。しかし、ブレイクが少し減っていたので、今年はシンプルにディフェンスからブレイクを多くしたい。ポイントになるのはリバウンドを獲ってからの切り替えの早さ。その精度は上げていかなければなりません。
──注目選手を挙げてください。
廣瀬:4年生はやっぱり#24安藤 周人(SF・187cm/四日市工業 ※昨年のリーグ戦3Pシュート成功数47本でNo.1)です。また、#3大崎 裕太(SG・176cm/市立柏)がここに来てハンドリング能力が高まってきている。スピードがあるわけではないですが、ドリブルワークでズレをつくって1on1を仕掛けられるようになってきました。大崎のPGが安定してきたら、攻撃力はもっと増していくと期待しています。昨年はケガをした#14柏倉 哲平(PG・176cm/山形南)が、まだまだ万全ではないですが復帰しています。#21石黒 岳(SF・189cm/市立金沢工業)を含めたこの4人の4年生が軸となってがんばって欲しいと期待しています。
若手で言えば、#10高橋 浩平(2年・C・197cm/十日町)、#7ナナー ダニエル弾(1年・CF・197cm/横須賀学院)のインサイド陣がどれだけチームに貢献できるかがひとつ。そして#32前田 悟(2年・F・190cm/山形南)の成長であり、オールラウンダーとしての得点力アップ。今日の試合(4月16日の中央大学戦)でもゴール下に絡んではいましたが、外のシュートの安定性が高まれば得点力が上がって来るはずです。
──名前が挙がらなかった#0納見 悠仁選手(PG・182cm/明成)や#27ウィタカ ケンタ選手(CF・200cm/國學院久我山)の1年生にも期待しています。
廣瀬:起用しないことには成長はないので、どんな時間帯になるかはわかりませんが、必ず使いながら経験を積ませていきたいです。
今年の大学バスケを占う春のトーナメント『第65回関東大学バスケットボール選手権大会』は4月23日~5月8日まで、国立代々木競技場第二体育館をはじめ、9会場で開催される(準決勝、決勝戦はJ SPORTSにて放送予定)。
試合日程やトーナメント表は、関東大学バスケットボール連盟オフィシャルサイト(http://kcbbf.jp/)にてチェック!
なお、各会場では『平成28年熊本地震』に対する義援金募金活動を実施。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げるとともに、温かい支援の輪を広げていこう。