日本一に導いたパラ神奈川スポーツクラブの三羽烏はいずれも20代
「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権大会」でMVPに輝いた鳥海連志(パラ神奈川スポーツクラブ)は、2月2日に24歳の誕生日を迎える。鳥海とともに、26歳の古澤拓也と丸山弘毅(いずれもパラ神奈川スポーツクラブ)の三羽烏が日本一の原動力となった。昨年9月にタイで開催された「IWBF 男子U23世界選手権」で世界一に輝いた勢いもあり、今年の天皇杯は20代の若き選手たちが大きく躍進した。
鳥海を筆頭に、世界一になったU23日本代表メンバーは赤石竜我(埼玉ライオンズ/22歳)、伊藤明伸(宮城MAX/21歳)、宮本涼平(LAKE SHIGA BBC/23歳)が天皇杯に出場し、素晴らしい活躍と成長を見せてくれた。前回大会となる2017年U23世界選手権でも、世界4位の好成績をおさめている。そのときのメンバーが古澤や丸山、川原凛(千葉ホークス)らだった。天皇杯には出られなかったが髙柗義伸(栃木レイカーズ)と岩井孝義(富山県WBC)も日本代表として実績を積み、古澤と川原、鳥海、赤石を含めた6人の20代選手たちが、東京パラリンピックの銀メダルメンバーでもある。
この世代を引っ張る鳥海は、「赤石なんて僕よりもシュートが入るようになっているし、スピードだって僕よりも速い。世界一を経験したからこそ、成長できた選手はかなり多いと思います」と言うとおり、自信を持って天皇杯も戦っていた。32歳の堀内翔太(伊丹スーパーフェニックス)に台頭する若手選手の現状を聞けば、「自分も強化指定選手ですが、下からの突き上げはかなり感じています。いつ入れ替わってもおかしくないなぁって、すごく思います。東京パラリンピックで銀メダル、U23が世界一になり、これからもっともっと車椅子バスケは盛り上がると思います。東京パラリンピックが終わって一度冷めてしまった感じもあるので、西日本からもっともっと盛り上げて、子供たちがスポーツをする機会が増えれば良いですね」と期待し、30代こそ脂が乗りはじめる世代である。伊丹スーパーフェニックスの村上直広(28歳)も強化指定選手であり、そのフィジカルとシュート力は今後の日本を牽引していくはずだ。