天皇杯 第47回日本車いすバスケットボール選手権大会では1勝も挙げられずに終わった福岡breez。初戦の相手は、昨年の5-6位決定戦で51-62と惜しくも敗れたパラ神奈川スポーツクラブ。リベンジを目指して臨んだが、「思っていたよりも10倍くらい相手はうまくなっていて完敗でした」と#9中嶌勇太も肩を落とす結果となった。
38-95の大敗を喫し、「日頃の練習量や試合経験の差」を敗因に挙げる。「ここまで完敗するとは正直思っていなかったので、鼻っ柱が伸びていないのにへし折られた感じです」と中嶌はその悔しさを表現した。
福岡breezは仕事をしながらバスケに取り組んでおり、なかなか練習に時間を割くことができない。唯一、チームハイの活躍を見せた#39福澤翔だけはアスリート支援を得て、毎日練習できる環境がある。もちろん福岡breez以外も、同様の環境を余儀なくされているチームも少なくない。「練習不足も痛感しているので、練習量はできる限り増やしていかなければなりません」と今後は時間をやりくりしながら、来年に向けて巻き返しを誓った。
中嶌は19歳のとき、バイク事故により右足を切断。中学まではバスケ部だったが、高校では「バイクにのめり込みバスケは辞めてしまいました」。不慮の事故に見舞われたが、ふたたびバスケに出逢うことができた。「僕の中で終わっていたはずのバスケが、またはじめることができて楽しいです。自分の人生にバスケはすごくプラスになっています」という中嶌は、車いすと出逢って10年が経つ。
勇太という名前にも興味が沸いた。聞けば、「お姉ちゃんとお兄ちゃんもバスケをしており、バスケ一家」だそうだ。名前の由来について、「田臥(勇太)さん(栃木ブレックス)から取ったかどうかは分かりませんが、田臥さんくらい上手くなりたいですね」。