強化してきたスタイルを発揮したワールドバスケットボールクラブとパラ神奈川スポーツクラブ
ワールドバスケットボールクラブは「人とボールを連動させながら5人全員でシュートを狙い、全員で守る」ことをベースに、ヘッドコーチを兼任する#15大島朋彦(4.0)は強化してきた。前半は30-29とどちらも譲らず、辛うじて千葉ホークスにリードされる。しかし第3クォーター、ワールドバスケットボールクラブのスタイルが開花し、21-2と一方的な展開で50-32と点差を広げた。
前半は千葉ホークスのビッグマン#21山口健二(4.5)に16点を許していたが、「(車いすを)細かく操作をして、ペイントの中に入れさせないこと」とディフェンスを修正した点を、同じく前半で22点を挙げていた#7竹内厚志(3.0)が明かす。その指示通りに全員で守り、後半は千葉ホークスを10点に抑えている。前半こそ竹内一辺倒だったオフェンスにも変化が現れ、全員バスケを表現したワールドバスケットボールクラブが67-40で初戦を突破した。
昨年の5位決定戦ではパラ神奈川スポーツクラブが62-51で福岡breezを下している。「10倍くらい相手はうまくなっていて完敗でした」と福岡breezの#9中嶌勇太は、たった1年間で開かれた差に愕然とする。95-38、パラ神奈川スポーツクラブが快勝した。
パラ神奈川スポーツクラブも健常者の#31田中優人(4.5)が加わったことでインサイドの起点ができ、好転したチームである。日本代表の#7古澤拓也(3.0)は32点、#2鳥海連志(2.5)も22点を挙げ、互いに10アシストとコンビプレーが冴える。女子選手の#18土田真由美(4.0)は66%(4/6本)の高確率でシュートを決め、8点をマーク。日本一速いチームと自負するとおり、19本のスティールを奪って次々と速攻を決めていった。そのオフェンスを展開するきっかけとなるハードなフルコートディフェンスこそ注目である。
準決勝は健常者がいない宮城MAX vs ワールドバスケットボールクラブと、健常者が加わったことによってレベルアップしたパラ神奈川スポーツクラブ vs 埼玉ライオンズの戦いとなる。「ライオンズの健常選手はすごくストイックで、大学界No.1の選手が入ったと言っても良いほど」とパラ神奈川スポーツクラブの古澤も、大山の存在を認めた。しかし、東日本2次予選決勝では57-40でパラ神奈川スポーツクラブが勝っている。「埼玉ライオンズは対戦するのが楽しいライバルチーム。今大会一番おもしろい試合ができるとワクワクしています」と古澤は胸を高鳴らせ、埼玉ライオンズはリベンジに燃える。
第47回日本車いすバスケットボール選手権大会
【1回戦結果】
宮城MAX 75-64 伊丹スーパーフェニックス
埼玉ライオンズ 72-57 NO EXCUSE
ワールドバスケットボールクラブ 67-40 千葉ホークス
パラ神奈川スポーツクラブ 95-38 福岡breez
【5月11日(土)】
10:45 5-6位決定戦:伊丹スーパーフェニックス vs 千葉ホークス
12:45 5-6位決定戦:福岡breez vs NO EXCUSE
15:00 準決勝(BSスカパー!生中継)宮城MAX vs ワールドバスケットボールクラブ
17:15 準決勝(BSスカパー!生中継)パラ神奈川スポーツクラブ vs 埼玉ライオンズ
【5月12日(日)】
10:30 5位決定戦
12:45 3位決定戦
15:30 決勝戦(BSスカパー!生中継/YouTube「TOKYOパラスポーツチャンネル」ライブ配信)
https://www.youtube.com/watch?v=k1h_93rAlMk
文・写真 バスケットボールスピリッツ編集部