Ryutaro「弟もがんばっているし、まだ負けたくないなと思って…」見る側から魅せる側へ
平塚Connection同様に3on3を主戦場とするチームも多く、LEGACY BALLでは最低8人のロスターが必要となる。少しでも選手層を厚くするため、4月20日には有望な選手を探すオープンランを開催。平塚Connectionは20歳のKIYOSHIと21歳のKOTAの2人を迎えた。蔵人はF’SQUAD、ショウヘイはUNDERDOGからコールアップされ、いずれも22歳。合格者5人のうち、最年長29歳のRyutaroは420の一員となった。
「ストリートを見るのは好きでした。でも、出ることはなく、見る側の人でした」というRyutaro(安達龍太郎)は、3×3や5人制のクラブチームでバスケを続けている。オープンラン参加のきっかけは、「弟もがんばっているし、まだ負けたくないなと思って、バスケができる限りは挑戦したい」と新リーグの門を叩く。実弟はSwag Crewのコタロー、7万人以上の登録者数を誇る人気バスケYouTuberだ。兄・Ryutaroもオープンランでは目を引くプレーを見せ、レギュラーチームメンバーからは「すでに420のエース」という声が上がる。プレーもさることながら、シャーロット・ホーネッツ時代のアロンゾ・モーニングのジャージを着ていたことで声をかけた。「90年代のNBAが好き」というRyutaroに親近感を覚える。
ストリートボールの印象について、「みんなが熱い。自分のプレーに自信があり、魅せて観客を楽しませたい思いがあってバスケしているのをすごく感じます。僕も魅せるプレーが好きなので、みんなみたいにワァーッと言われるプレーをしてみたいです」と答えたのは合格が決まる前だった。オープンランに参加する前は “見る側” だった彼が、今後は “魅せる側” へ立場が変わった。
「ストリートボールを引っ張ってきた先輩たちの背中を見て、まずは真似る。そして、自らのオリジナルを作って行く。LEGACY BALLを日本ストリートボール界の伝統としてこれからも続けられるように、先輩たちを見ながら成長していきたい」
ピック&ロールからのドライブを得意とするRyutaroであり、「ディフェンスやピックなど、一つひとつの技に磨きをかけることで魅了できる5on5は僕にとってもうれしいです」とオールドルーキーの活躍を祈っている。
四半世紀前から日本のストリートボールの土壌を開拓してきた歴史あるチームを一堂に会し、5on5新リーグ戦がはじまる。あの頃、ボーラーもファンも一緒になって熱い空間を作り上げ、盛り上げていったパッションをふたたび感じたい。
文・写真 泉誠一