UNDERDOGはALLDAYの最多優勝回数記録を持つチームであり、「日頃からそうですが、特にALLDAYの前はチームがピリつくくらい、プライドを持って臨んでいこうということをみんなで言っている」とDAISUKEは証言する。M21(三井秀機)を中心に結成され、初出場で優勝を果たしたときから、ALLDAYはチームにとって特別な大会。かつ、3×3などにも活躍の場を持つDAISUKEにとって、一際高いモチベーションで臨めるものだ。
「UNDERDOGが作られたのもこの大会のためというのがあったので、チームとしても個人としても思い入れはかなり強いし、最多優勝というプライドもあるし、とにかく僕はUNDERDOGの名のもとにプレーしてるときが、一番ギアが入る。古臭いですが、命張ってるというくらいのつもりでやってます」
前回大会では圧倒的なシュート力を見せ続けてMVPに選ばれた。今回のセミファイナルでクラッチショットを決めたことも含め、試合を支配するようなパフォーマンスを長年維持しているのも、DAISUKEのリーダーとしてのプライドや責任感のなせる業だ。ただ、それもDAISUKE本人に言わせると、チームあってのもの。ボールやアパレルなどを手がけるバスケットボールブランド・TACHIKARAのバックアップによって、常に刺激的な環境でプレーできていることがDAISUKEにとっては大きいようだ。
「TACHIAKRAの皆さんがいつもチームのことを気にかけてくれて、JUONみたいな若いヤツと一緒にプレーする機会を作ってくれる。ただ1人でやってるだけだとコンディションの維持も難しいんですが、若いヤツと一緒にやると物理的なコンディションも上がるし、気持ちの面でも支えられてるから、コンディションは常に保たないといけない。とにかくファミリーのおかげです」
SOMECITYのトップチームから脱落するなど、低迷した時期もあったものの、そこからまた這い上がり、日本のストリートボールの歴史において確固たる地位を築き上げてきたUNDERDOG。しかし、UNDERDOGというチームはその地位にあぐらをかくことはしない。今後UNDERDOGは、そしてDAISUKEはどのような姿を見せていくのか、何を目指していくのか、それを問うとDAISUKEはこう語った。
「『こいつら常に何かに挑戦してるんだな』っていう風に見てもらえるチームであり続ける、というのが一番じゃないですかね。ふんぞり返ってもやってる意味ないし、とにかく何かにチャレンジしてるのが伝わるような、内からほとばしるようなチームであり続けるのが目標というか、それがUNDERDOGとしては自然かな。UNDERDOGって、直訳すれば “負け犬” ですけど(笑)、それはチャレンジャー精神。下剋上というか、やっぱりそこなんですよ、UNDERDOGって。『こいつらアンダードッグだな』っていつまでも言ってもらえるというのが理想ですね」
かつて筆者がM21を取材したとき、彼は「今日結果を出しても、明日からまた新しいチャレンジをしないと」と言っていた。そのストリートマインドは脈々と受け継がれ、今もDAISUKEの体中に染みわたっている。
文 吉川哲彦
写真 鈴木真人