代々木公園のコートがリニューアルされた節目で、ストリートボールチーム最古参のTEAM-Sが15年ぶりの優勝を果たすというビッグトピックが生まれたのが昨年10月のこと。6月24日に開催された第45回もまた、ある意味ではALLDAYを象徴する大会になったのではないか。今回の優勝チームはUNDERDOG。これが11回目ということは4回に1回優勝していることになるわけで、ALLDAYといえばUNDERDOG、代々木コートといえばUNDERDOGという存在であることは間違いない。
UNDERDOGがALLDAY初出場で優勝を飾った大会も目撃している筆者の主観で言わせてもらうと、今回のUNDERDOGはALLDAYに対する思い入れの強さが感じられた。それは何より、この日集まった顔ぶれが表している。長谷川智也がヘッドコーチとして指揮を執り、出場はしなかったもののベンチには落合知也や高久順らの姿もあった。彼らは皆、UNDERDOGの黄金期を知る面々だ。
そして、スタートで出場した5人の中にも、UNDERDOGを強豪に仕立て上げた顔があった。今回ピックアップするのは眞庭城聖。ストリート界隈の人にとっては、MONEYと言ったほうがわかりやすいだろう。37歳の今もBリーグでプレーし続けているMONEYにとって、今回のALLDAYは「たぶん7、8年ぶり」とのことだが、コートがリニューアルされてもMONEYにとって特別な場所であることには変わりなく、「普段の試合より緊張しました(笑)」と振り返る。
Bリーグのオフシーズンでなければ出場できないという側面があるのはもちろんのことだが、MONEYが今回出場の決断に至った背景には、盟友である永田晃司(KOJI)の存在があったようだ。
「ジーコ(永田)が出ると聞いて、僕も絶対に出たいと思いました。僕がやってほしいことをジーコはやってくれるし、ジーコがやりたいことも僕はわかってて、それで力が発揮できるという自信もあったので、監督をやった智也にもそういう話をして『ジーコと一緒にプレーしたい』ということを伝えました。思い出がかなり蘇りましたね。歳は取りましたけど、昔に戻った感覚です」
ケガの可能性などを考えると、確かにBリーガーがストリートの舞台に立つことは簡単ではない。それでもMONEYは、これまでにもBリーグのオフシーズンは3×3などでプレーしてきた。自身の原点と考えているストリートでの経験が自身のキャリアを形作っているということを強く認識しているからだ。
「プロ選手はなかなかこういう大会に出づらいというか、リスクの部分は少なからずあると思います。その中で僕は、このALLDAYもそうですし、SOMECITYとかいろんなジャンルで活躍したいという想いがあります。そういうバスケをやってきて今があるというのが、僕の特色だと思うんですよ。Bリーグのオフシーズンにこういうゲームがあって、ストリートに帰ってきて、仲間たちとまた一緒に優勝できるというのは最高ですね。良いリフレッシュになるし、ルールが違う、時間も短い、相手のことも全くわからないというのが刺激になります。今回、僕とジーコは1回も練習してないんですよ。昨日東京に来て、夜ごはんを食べながらフォーメーションの確認だけして、今朝もう1回確認して……そういう難しさはありました。でも、UNDERDOGはちゃんと地盤ができてるから、こんな僕らがパッと入っても勝てる。全然関係なかったなって」