爆笑トラッシュトーク炸裂の男子決勝戦
女子決勝を見ていてとくに印象的だったのは、三井住友銀行の選手たちの笑顔。楽しそうにプレイをする姿がとても眩しかった。その後に行われた男子決勝・日本無線vs葵企業もまた笑いが絶えない。試合中にも関わらず、コートの中から、そしてベンチからもトラッシュトークが炸裂。その一言一言がおもしろい。ご紹介したいところだが、笑ってしまって書き留めておらず、今後、ぜひ会場でコートに近い位置で観戦していただきたい。
葵企業#87柳沢孝行選手(拓殖大学)は、劣勢に立たされた3Q中盤のフリースロー時、「楽しまなきゃ」とチームメイトに声をかける。そして4Q、その柳沢選手が転倒により足を痛打。レフェリータイムを取るほど痛がっている。しかし、ベンチは呆然と眺めているだけで交代要員を出さない。そんな状況に「誰も心配してくれないのかよ」と柳沢選手。これにもドッと笑いが起こり、しっかり楽しませてくれた。もちろんプレイ続行。
その柳沢選手は15点を挙げ、効果的なジャンプシュートを決めた#7佐々木隼選手(東海大学)の17点に次ぐ活躍を見せた。また、今大会最高身長であり、唯一の2mとなる#20羽立龍太選手(203cm/国士舘大学)は14得点。
しかし、勝ったのは日本無線。前半はビハインドを強いられる展開だったが、「後半に入ってから、地味ですがルーズボールやリバウンドをしっかりやり始めたことで点数を広がった」と話すのは尾崎智則ヘッドコーチ。基本から立て直したことで#1福田大祐選手(法政大学)、#9小林純也選手(青山学院大学)が次々と得点を重ねる。#6鈴木伸之選手(青山学院大学)の3Pで点差を広げ、93-68で勝利し、9年振り6度目の優勝を決めた。日本無線は第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会の前に、正月に行われるオールジャパン(天皇杯)が待っている。知らない世界の関東実業団であったが、もしかすると筆者だけが知らないだけのことかもしれない。しかし、情報があるところにしか、話題は集まらないのもまた然り。少しずつでも知らない世界をお伝えしながらも、実は近くにある楽しいバスケを探して行きたい。特に実業団リーグは、カレッジバスケファンにとって懐かしい顔ぶれが多いので、きっと楽しめるはずだ。
第16回 関東実業団・関東大学バスケットボールオールスター対抗戦
2013年12月14日(土)11:00〜 @日本女子体育大学(観戦無料)
第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会
2014年2月8日(土)〜11日(火)@東京体育館、代々木競技場第二体育館
関東実業団バスケットボール連盟
日本実業団バスケットボール連盟
文・泉誠一