11月24日(日)に行われた関東実業団バスケットボール選手権大会を初めて観戦してきた。
初めて…?
もしかすると初めてではないのかもしれない。20年ほど前、当時勤めていた某電気会社のバスケチームに参加していた時期がある。今思えば、あれは関東実業団に登録したチームであり、当時は4部か5部あたりに属していた。もちろん筆者は戦力にならないので、人数合わせや練習要員として一緒に汗を流させてもらっていただけ。しかし、自分がどこに所属し何の大会に出ているのかさえ分からず、誘われるまま体育館に行ってたものだ。まだまだネットが発達していなかった時代であり、バスケができさえすれば良かったと思っていた。
そんな“Do スポーツ”環境の関東実業団。取材申請方法はオフィシャルサイトを見ても分からず、ダメモトで会場へ行き、取材交渉をさせていただくことに。
会場にはプレス用入口等はなく、仕方なくチケット売場の方に事情を説明。すると、戸惑う姿勢を見せたので、取材は受け入れていない大会だと思い「すいません」と帰ろうとしたその時、他の方が「どうぞ」と声をかけていただき、中に通していただけることに。広報の方にいただいた取材申請書を書き終えると、無事に取材体制が整った。しかし、全く情報が無いまま飛び込んだ今回の取材。決勝に上がった日本無線がオールジャパン(天皇杯)に出場を決めたことは知っていたが、その程度。チームも選手も分からないまま、とりあえず500円で売られていたプログラムを購入。男子3位決定戦、新生紙パルプ商事vs三井住友銀行を横目で見ながら、プログラムに目を落とし、付け焼き刃の情報をインプット。NBLやbjリーグ等ではお目にかかれないような名門大学出身の選手が多いなぁ〜、というのが第一印象。何を取材対象としようかな?そこからのスタートであった。
顔が傷つくほどの真剣勝負
女子決勝戦・東京海上日動 vs 三井住友銀行戦。
東京海上日動は…そうだ!一昨年までWJBLに所属していたあのビッグブルー。昨年から関東実業団に活躍の舞台を移していたことを思い出す。撮影のためにフロアに下りると、ウォームアップをしている三井住友銀行の中に、大きなバンソウコウを目の上に貼っている選手が目に入る。女子なのに、明日も仕事があるだろうに、そんなことを考えながら顔を眺めていたら、あら?ユニバーシアード女子日本代表選手でもあった日本女子体育大学出身の飯野茉李選手だと気付く。
ボールが飛んできたので、そのまま立ち話をさせてもらったら、前日の試合でケガをしたようである。顔に傷を付けられるほど真剣に取り組んでいることを実感。情報ゼロからではあるが、こちらも真剣に取材に挑まねばならないと引き締まる思いがした。
試合の方は3Q終盤に#1前田優香選手(拓殖大学)が2本の3Pを決めてリードを広げた東京海上日動。勢いに乗り、4Qは一気に東京海上日動ペース。その4Qだけで37点を奪った東京海上日動が点差を開き、93-66で勝利し、2連覇を果たした。#23横井美沙選手(長野大学)は40点を挙げる活躍を見せ、MVPを受賞。
チーム存続が危ぶまれているビッグブルー
さて、優勝した東京海上日動だが、思わぬ話を聞いてしまった。WJBLから関東実業団へ来てまだ2年目、そして2連覇を果たしたにも関わらず、今シーズン限りで引退する選手もおり、人数が減ってしまうことでチーム存続が危ぶまれている。まだ確定的な話では無いようだが、選手もスタッフも、今シーズンで最後と割り切ってラストシーズンに賭けている。このままでは、2014年2月8日(土)から始まる第46回全日本実業団バスケットボール選手権大会が最後の舞台となってしまう。有終の美を飾って欲しい気持ちと、存続を願う気持ち、何だか複雑な思いがした。
他のチームに移籍した選手がいたので話を伺ったところ、実業団チームの場合は母体企業の経営状態云々ではなく、選手が揃うかどうかが一番難しいようだ。そのために廃部となってしまうケースが多いことを知る。