10月21日、応援し続けて29シーズン目を迎えた我がワシントン・ウイザーズが、4年ぶりに開幕戦を勝利で飾った。SNSでその興奮を共有していたところ、NBA傘下Gリーグのテキサス・レジェンズのチケットセールスに関する案内が流れてきた。見慣れた顔がおり、馬場雄大が今シーズンの活躍する場が決まったことを知る。その2日後には馬場自身がSNSで報告し、10月25日に多くのメディアを集めてオンライン記者会見が行われた。
「今シーズンは、ふたたびGリーグのテキサス・レジェンズでプレーすることになりました。個人としては、やっぱり夢を達成するためにも結果が全てだと思うので、2年前と同じ環境ですが、自分の成長をコートの上で表現したいと思っています」
日本代表として戦った東京オリンピックを終えたあとすぐさまアメリカに発ち、トレーニングを重ねながらNBA入りを目指して準備を行ってきた。複数のNBAチームの練習に参加する機会もあったそうだ。残念ながら、目指すべきレベルからのオファーは届かなかったが、それでも少なくはなかった選択肢の中から、「最終的にテキサス・レジェンズでプレーすることを選びました」。その決断に対し、「アメリカでプレーしたい思いがすごく強かったです」と続けた。夢をつかむためにもNBAに一番近いGリーグが最高の環境と考える。
2年前に在籍したレジェンズへ復帰するにあたり、「環境面やコーチのことが分かっていることで、新たにアジャストする必要がない」ことをアドンバージとして捉えている。そのときは伊藤拓摩氏(現・長崎ヴェルカ)がアシスタントコーチとして側におり、頼ることができた。しかし、オーストラリアNBLのメルボルン・ユナイテッドでの昨シーズンは、言葉や生活面などすべてにおいて自分でやらなければならなかった。その苦労や努力した分、海外で生き抜くために必要な多くのことを得ることができ、逆にバスケに関するストレスが激減していった。様々な経験を経て、「ベストなタイミングで今ここに立っています」という馬場雄大のチャレンジに期待したい。
リリースの通り、今シーズンは再びGleagueのTexas Legendsと契約させて頂きました!
夢に向かって1日1日全力で頑張ります。
宜しくお願いします!I've signed with Texas Legends of Gleague.
I'm honored to play for this team again and want to cherish every each day to achieve my dream. https://t.co/pppSA0Fif4— Yudai Baba 馬場雄大 (@yudai_baba) October 23, 2021
NBA選手を輩出し、アジア人も活躍の場を求めはじめたオーストラリアNBL
昨年のNBAで新人王を受賞したラメロ・ボール(シャーロット・ホーネッツ)をはじめ、オーストラリアNBLはNBAへの登龍門としてその価値を高めている。今シーズンはフィリピンの若き至宝、218cmのカイ・ソットー(19歳/アデレード・36ERS)や、ヒューストン・ロケッツでのプレー経験ある中国代表のジョウ・チー(S.E.メルボルン・フェニックス)など、若きアジア人も増えている。GリーグとオーストラリアNBLの両方を経験している馬場に、お互いの良さやその特徴を聞いた。
「オーストラリアの良いところは、選手全員がすごくフィジカルが強い。40分戦い抜くだけでもすごく体力が削られます。より格闘技的なバスケットが展開される中では、タフにはなるかなと思います。それに比べてGリーグはより空中戦が展開される中で、アスレティックな選手も多く、かなり速いバスケットボールになります」
体格差あるオーストラリアNBLの猛者たちとのフィジカルコンタクトを経て、今シーズンのGリーグでは「最低2桁得点を目指したい。この夏はピック&ロールの練習に力を入れてきたので、リングにアタックする姿は今まで以上に見せられると思います」とさらに進化したプレーで、高い目標へと向かっていく。
文 泉誠一