クラウドファンディングで1700万円もの金額を集めたことについては、「やっぱり代々木がすごいんですよ。このコートは特別」と改めて代々木公園コートの持つ歴史と、パイオニアとしての存在感に感服する。
「このコートに共感する人たちを連綿と作ってきたということですよね。代々木が明確にしたのは、日本の公園バスケのロールモデルを作るというビジョン。それで地方も共感してくれたんですよ。代々木のコートが綺麗になるということだけではなくて、それが自分たちの未来にもつながるという実感があるんだと思います。PICK UP PLAYGROUNDに参加している人は余計にそうだと思う。代々木が示した未来が地方に広がっていくという意味で、やっていることは同じですからね。コートを修繕するという一例目を作ったことは大きいですよ」
日本のストリートボールMCの第一人者であり、このALLDAYでもマイクを握っているMAMUSHIも「ここを日本のラッカーパーク(アメリカ・ニューヨークにある世界的に有名なストリートボールコート)にしたいよねっていう原体験があったから、やっぱりここを育てていくことは大事だし、ここが育てば日本中のコートがそれに引っ張られて育っていくんじゃないかな。ストリートに身を置いていても原点は人それぞれにあるのかもしれないけど、やっぱりここは象徴的ではありますよね」と代々木コートの存在の大きさを感じている。MAMUSHI自身、ストリートをスタート地点としてその後WリーグやBリーグ、3×3、NBA関連の仕事にまで活動の幅を広げてきた背景がある分、「ストリートで喋るのを仕事と思っていいのか、遊びの延長なのか、20年近くさまよってますが(笑)、今は日本のバスケット全体がすごく元気だから、今回のプロジェクトも一緒にやった今までの仲間たちとこのまま進んでいければいいし、その仲間を増やしていきたいですよね」と今後への希望がふくらんでいるようだ。
希望に胸を弾ませているのは、もちろんボーラーも同じだ。F’SQUADでプレーするK‐TA(鈴木慶太)は、代々木公園コートのこけら落としイベントでプレーした1人。リニューアルイベントとして10月29日・30日に開催されたALLDAYはベスト8敗退となったが、「改めて良い場所だと思ったし、良い大会だなと思いましたね。だからこそこれからもこのコートを残したいし、立ち続けたい。そういう気持ちにさせてもらっていることがありがたいです。TANA(元ボーラー、バスケットボールブランド・ballaholic棚町義一氏)とかカトちん(バスケットボールブランド・AKTR加藤芳宏氏)とか、ずっと一緒にやってきた仲間が携わっているから、こうして新しくなったのは余計に嬉しいですね」と感慨深かった様子。42歳になる来年のALLDAYに向けて「また必ず戻ってきます」と力強く宣言した。