オーストラリアは今、冬から春に向かっている。
NHKをサポートしている地元のコーディネーターによると、今春のシドニーは例年よりも少し雨が多いらしい。
スポーツセンターからスーパードームに戻るときも突然の雨に見舞われた。
大粒の雨が落ちてくるのだが、他方空は明るい。
日も差してきた。
スーパードームからはアメリカの試合を見終えた観客が出てきた。
ふと彼らが向かっているオリンピックパーク駅の方向を見ると、虹がかかっている。
これほどまでにくっきりとかかった虹を見るのは何年ぶりだろう。
しかも二重の虹、「ダブルレインボー」である。
幸運をもたらすというダブルレインボーを見て、それが今夜の日本を表すのか、などと考えるのはあまりにも稚拙だろうか。
日本戦の前にはフランスとセルビアの試合がある。
フランスは、勝てば1位通過の可能性もあるが、負けると4位通過もありうる。
両チームは昨年の女子ユーロバスケットの決勝戦でも対戦した。
そのときはセルビアが勝っているのだが、セルビアのマリーナ・マルコヴィッチヘッドコーチは今大会のチームを「そのときとはチームが違う」と言っている。
フランスもヘッドコーチが替わり、チームも変わっている。
果たして、今回もセルビアが<68-62>でフランスを振り切った。
ヘッドコーチが替わったり、チームが異なったとしても、選手の特徴が大きく変わることはない。
大会中のゲームスカウティングも当然おこなっているはずだ。
戦術への細かな適応はあったにせよ、ゲームを見る限り、両チームの意地と意地がぶつかるゲームだった。
それがまた予選の順位を決めるゲームなのだから、自然、白熱したものになる。
こうしたゲームを見られるのもまたワールドカップの醍醐味である。
同じようにアジア同士の対戦となる日本とオーストラリアの試合はどうだったか。
2017年のアジアカップ以来、日本はオーストラリアに負けていない。
しかし今大会の成績では、すでに後塵を拝している。
ならば、直接対決だけでも日本は意地を見せられたのか。
少なくとも前半は見せられた。
ビハインドで後半を迎えることにはなるのだが、逆転されてもなお食い下がって、後半に望みをつなげていたのである。
しかし ──
<54-71>、日本はオーストラリアに敗れた。