ジーン・エメ・トゥーパン。64歳。
調べてみるとセネガル代表としてプレーした経歴があり、コーチとしてはこれまで主に男子チームを指揮してきた。
2009年から2021年まではU20男子フランス代表を率いていて、就任2年目の2010年にはU20ヨーロッパ選手権で優勝している。
2019年も同大会の4位に導いている。
そんな彼が女子フランス代表のヘッドコーチとして、今大会に臨んでいる。
記事を読む限り、彼は経験のある女子選手たちと、ともに仕事ができることを幸せだ、と言っている。
幸せだが、今はまだ自身の考えを伝えきれていない。
そういったところだろうか。
そうした検索のなかで、彼の息子、アクセルがNBAでプレーしたことがあることを知る。
フランス代表として、2019年のワールドカップにも出場している。
女子ワールドカップにはまったく関係ないのだが、そうした親子関係を知ると世界のバスケットがまた違った味わいになる。
いつか件のカメラマンがアクセルを撮ることがあれば、「俺、彼のお父さんを撮ったことがあるんだよね」と言うだろうか。
試合は<74-59>でフランスがマリを退けた。
苦戦の末の2勝目は、フランスにとって大きな価値がある。
明日(26日)の日本戦も侮れそうにない。
頑張っているのはお父さんだけではない。
お母さんも頑張っている。
オーストラリアのローレン・ジャクソンは2人の子を持つ母親である。
女性の年齢を示すのはけっして気持ち良いものではないが、彼女は41歳になっている。
日本でいえば田臥勇太の1つ下、柏木真介と同級生ということになる。
世界を制し、WNBAをも制したことのあるレジェンドは、9年ぶりに代表チームに復帰し、この日も大歓声を浴びながら、プレーした。
10分35秒のプレータイムで3ポイントシュート1本と、6本のフリースローすべてを決めている。
プレーだけではない。
チームメイトのナイスプレーに対して、コート上では雄叫びを上げながら、大きな体をぶつけ、ベンチに下がっても、椅子から何度も立ち上がり、拍手と大きな声を送っていた。
レジェンドのそうした熱さに若い選手たちが応えないわけがないだろう。
オーストラリアは<69-54>でセルビアを下し、2勝目をあげている。
お父さんが苦戦の中で我慢し、お母さんが情熱を発露すれば、娘たちも負けじと奮起する。
大会4日目の最終試合は、日本<56-70>カナダ、で終了のブザーを聞くことになる。
日本の通算成績は1勝2敗となった。
その試合に厳しい目を向けることは、あるいは、簡単なのかもしれない。
しかし今後につながる光がなかったわけでもない。