男子日本代表がチャイニーズ・タイペイを【108-68】で一蹴し、逆転でワールドカップ・アジア地区予選の第2次ラウンド進出を決めた。
ここではNATIONS、Basket Count、FLY Magazine、そしてBasketball Spiritsが出場選手(古川孝敏、辻直人、宇都直輝は出場時間が短かったため、今回は評価外とさせていただいた。ご了承ください)をそれぞれに評価したものを掲載する。
#2 富樫勇樹
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
序盤は迷いが感じられる場面も多かったが、3ポイントシュートを決め始めると、その迷いも吹っ切れたように見えた。マイナスポイントとしてはたまにボール運びに参加しなくなる点。ファジーカスのターンオーバーを彼ならもっとフォローできたはずだ。真のPGとしての活躍を期待したい。
評価:B @marknbafan from NATIONS
前半はシュートに躊躇が見えたが、ハーフで意識を変え積極的にシュートを打って決めたのでグッドだった。今後更に得点の意識は上げて欲しい。あとはディフェンスにもっとアクティビティを。
評価:B @flymagazine
アグレッシブなアテンプトから3Pで(4/6)12P。自分らしさを表現できたゲームになった。今日の勝利でもわかったが今後チームに必要なのはアジア最高レベルのPG。という期待も込めての評価でB。
評価:A @BBSpirits
サイズの不利を突かれたり、終盤、相手のトリッキーな動きで失点を重ねたディフェンスがややマイナスポイント。しかし後半に入るとオフェンスで4本の3ポイントシュートを沈めるなど、富樫らしい一面を見せることはできた。欲を言えば富樫の代名詞ともいうべきフローターを1本でいいから見たかった。
評価:B @basket_count
最初の3ポイントシュートを沈めたことでディフェンスを広げ、インサイドのスペースを作った。シンプルなパスでファジーカスにチャンスを供給したこと、ターンオーバー0は評価。一方で0番に連続で3ポイントシュートを許した面はマイナス。主役になる必要はないが、もっと存在感を見せてほしいとの期待を込みでB。
#6 比江島慎
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
攻守ともに素晴らしい活躍だった。序盤のリードを作り出したのも彼の活躍が大きい。現地の近い距離で見ていて、常に落ち着いてプレイしていたように感じた。ワンマン速攻での相手ディフェンダーのいなし方など巧いプレイが多数。やはり日本代表のスタートには彼がベストだ。
やはり日本代表のスタートには彼がベストだ。
評価:A @marknbafan from NATIONS
何故かハーフスピードでリングまで行ける男、それが比江島。ヘジとインサイドアウトを繰り返しタイミングを見て仕掛けるなど、本当にスマートで多彩なスコアラーだ。やはり日本のエースはこの人なのか?
評価:S @flymagazine
結果として大差で勝ったゲームだったが、危なげないプレーで要所を締めていたのはこの男。チーム最多の6Aで周りを活かしつつも5Sでディフェンスでもしっかり貢献してチームの屋台骨を支えた。
評価:S @BBSpirits
第1Qから積極的にゴールへアタックし、得点面で結果を出したことが日本のリズムを作った。後半は厳しいファウルコールに苦しむ場面もあったが、しっかりと切り替え、ペイントアタックからファジーカスの3ポイントシュートをアシストしたり、スティールから八村の速攻を演出した。
評価:A @basket_count
日本のエースは健在。序盤立て続けにシュートを決め、アシストも冷静。アジアトップクラスの突破力を随所に見せた。ディフェンスも含めて安定感は抜群で、代えがきかない選手だけにファウルトラブルは避けたい。前半で3ファウルした点がマイナス、限りなくSに近いAで。
#7 篠山竜青
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
ファジーカスとの相性は日頃の積み重ねからも篠山選手が最もしっくりくる。前回のオーストラリア戦での勝利が、冷静さという形で大きな経験値となっていたように見えた。ただ、ナンバーコールをした後にうまく機能しなかった際にドリブルを止めてしまいターンオーバーというPGとしてはやってほしくないミスもあった。それでもどんどん良くなる篠山選手の活躍は日本代表にとっては大きなプラスだろう。
評価:A @marknbafan from NATIONS
とにかくディフェンスでボールに絡む選手で、本当に素晴らしい。出場時間が若干短いのはあるが、コートに立っている間はほぼノンストップで動いている。オフボールのディナイ、ボールマンのプレッシャー、スティールに絡んでルーズボールに飛び込む…今日もスタッツに現れないキープレイを連発していた。
評価:B @flymagazine
こういったゲームでは緩みがちなチームを最後までしっかりとコントロールした。この1次予選に関して彼が果たした役割は計り知れない。コートの内でも外でもリーダーとして明確なビジョンを持っていた。
評価:A @BBSpirits
オーストラリア戦ほどの輝きは見られなかったが、富樫のバックアップとして彼とは異なる自分のカラーを安定して出し続けた。それはディフェンスであったり、ルーズボールであったり。一方で日本の99点目、102点目となる3ポイントシュートを決めたのは、むろんシュートチャンスがあったからだろうが、おいしいところを狙ったからではないか(笑)。さすがは「日本一丸」の執筆者!
評価:A @basket_count
結果的には大勝したが、相手にもチャンスはあった。そこで主に激しいディフェンスを仕掛けて相手の反撃を芽のうちに摘み取って、日本優位の試合展開をキープし続ける良い仕事をしている。特に第4クォーター立ち上がり、敗色濃厚の相手が激しさを出そうとするところを逆に潰したディフェンスは地味に効いた。
#8 太田敦也
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
控えのインサイドとして途中出場ながらワンポイントで求められている仕事をしっかりとした。ディフェンス面での位置取り、コースへの入り方は外国人選手相手に何年も渡り合ってきた経験の賜物だろう。欲を言えばボーナスフリースローは2本決めたかった所。
評価:B @marknbafan from NATIONS
本来ローテーション外だったが、竹内のファールトラブルで急遽出場。限られた時間でやるべきことをこなした。デービスからアンスポを誘うなど、汚れ役的な仕事も。ベテランらしいプレーだった。
評価:B @BBSpirits
第2Q、竹内のファウルトラブルでいきなりコートに立ち、直後のフリースローを2本とも外したのはいただけない。またディフェンス面でもっとハッスルして、チャイニーズ・タイペイの帰化選手を苦しめてもよかった。それでも状況をしっかりと判断したゴール下のシュートを沈めるなど、最低限のつなぎの仕事はできた。
評価:A @basket_count
投入されて早々にクインシー・デービスをボックスアウトでゴール下から締め出し、冷静さを失わせる地味なグッジョブ。フリースローが入らないのは仕方ない。アグレッシブに行った結果の得点もオマケ。インサイドのディフェンスで身体を張り、日本の優位を保ち付けたことに意義がある。
#15 竹内譲次
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
ここ数試合の活躍からするとやや見劣りするものの、それでもしっかりと仕事をしていた。Window2で指摘していたオープンでも3Pを打たなかった場面、今回はしっかりと決める。あのサイズで3Pも打てる選手はアジアにはそう多くはないため、もっとトライして怖い選手になってほしい。
評価:B @marknbafan from NATIONS
とにかくアグレッシブにプレーするように指示されてるのがわかる。オフェンスも積極的に仕掛けて、ディフェンスも自ら仕掛けるようにしている。前半にオーバーアグレッシブなディフェンスからの不必要なファールでチームの流れを断ちそうになったのが少し気になるが、それ以外に関しては合格点だろう。
評価:B @flymagazine
得点こそ5点にとどまったたがOFE2本を含む4リバウンドでチームに貢献。WINDOW3からベンチスタートに定着したベテランは流れを引き寄せるようなアグレッシブなプレーが目立った。
評価:A @BBSpirits
成長し続けるベテランが今日も安定した働きを見せた。得点とファウル数ではマイナスポイントだが、リバウンドに絡もうという意思は見えたし、ディフェンスでは体を張って相手と戦った。終盤、馬場がフリースローを得たアタックは、竹内のドライブが起点となったものだし、久しぶりに譲次の3ポイントシュートが決まったシーンを見ることができた。
評価:B @basket_count
少々不運ではあったが短い時間で個人ファウル2つはチームを危機へと追いやった。その危機は太田選手の堅実なディフェンスで大きな綻びにはならなかったが、少々軽率だった。太田選手とファジーカス選手のツインタワーが機能したために竹内のプレータイムは15分と伸びず。
#18 馬場雄大
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
この大事な試合で、マークを背負いながらワンハンドダンクを決め、速攻からボースハンドダンクを決める男はかつての日本代表に存在しただろうか?ディフェンス面でもよくコースを読み、手も出しており相手にプレッシャーをかけ続けた。『魅せる』ということが出来るのは、それだけでも大きな価値がある。素晴らしい活躍だった。
評価:A @marknbafan from NATIONS
速攻から2本のダンク、ベースラインのオフボールカットからの「ババリバース」と大活躍。結局は筑波時代のプレーと全く同じ事が国際レベルでもできている。彼の能力とプレーは天井知らず!
評価:A @flymagazine
13P・6R・5A・2S・2Bとオールラウンドな活躍をみせた。今まで日本にはいなかったウィングからの力強いフィニッシュを国際レベルでやってのける待望のプレーヤーであることは間違いない。
評価:S @BBSpirits
シュートシーンはけっして多くなかったが、ジャンプシュート、カットからのバックシュートを高確率で決めた。スティールからのダンクシュートも。また周りもよく見えていて、太田の得点や、富樫の3ポイントシュートなどを引き出していた。これまで積み重ねてきた経験がいい形で現れたゲームだった。
評価:A @basket_count
リバウンドにルーズボール、合わせからのレイアップや相手の士気を断ち切るダンクと、持ち味を遺憾なく発揮。クリエイトでは劣るにしても、代表での攻撃力はもはや田中選手をしのぐ。タフなディフェンスも披露し、アジアトップクラスの2ウェイプレーヤーであることを証明した。
#22 ニック・ファジーカス
評価:S @Masataka_Taira from NATIONS
31得点11リバウンドというスタッツはもはや当たり前なのか?FG%も驚異の72%と、個人でも打破できるそのオフェンス能力は日本代表にとってはまさに救世主。珍しく不用意なパスが多くターンオーバーを5つも犯した。それでもS評価というところに彼の素晴らしさを表現したい。
評価:S @marknbafan from NATIONS
32点11R、3P3本と大当たりだった。ゴール下のリバウンドがめっぽう強く、ピックからのダイブフローターも相変わらず高確率。点を決めたあとのセレブレーションといい、日本代表にスワッグをもたらしている選手である。ほぼ完璧な試合だった。
評価:S @flymagazine
2次予選進出の立役者となったチームの大黒柱は32P・11Rと完全にインサイドをドミネイト。アジア諸国中がニック対策に奔走するWINDOW4からの戦いで彼の真価が問われるだろう。
評価:S @BBSpirits
さすがの一言! 得点面でチームに流れを作り、さらに勢いを加速させるなど、最後までその輝きが鈍ることはなかった。ペイントエリア内だけでなく、ピップ&ポップから3ポイントシュートまで決められたら、どう抑えればいいの? 誰か教えて! リバウンドでも高身長の多いチャイニーズ・タイペイにイニシアチブを取らせず、日本の速い流れを作る起点となった。
評価:S @basket_count
攻守で試合を支配した。確実なディフェンスリバウンドによって相手にセカンドチャンスを与えず、視野が広いためすぐさま速攻の起点となる選手を走らせるパスを出した。また3ポイントシュートを4本中3本決めたことで、デービスをインサイド陣を外に連れ出し、オフェンス優位な展開を作った。
#23 八村塁
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
序盤のファウルトラブルによって24分の出場と本来期待されているプレイタイムではかった。それでも貢献度は非常に高い。オフェンス面では1on1からのフェイダウェイはNCAAでも大きな武器になると思う。ディフェンスのショットブロックもアジアでは驚異だ。八村選手の場合は試合を支配しなければならないという期待からこの評価に。
評価:B @marknbafan from NATIONS
13得点と貢献したが、以前の試合のようにドミネートしている状態ではなかった。試合開始後すぐに交代し少しリズムに乗れない感もあり、リバウンドも3と少なかった。チームがの勝利のための貢献としては十分だが、期待値が高いためもっと求めていきたい。
評価:A @flymagazine
もはや13Pを挙げても物足りなくなってしまうが、自分の仕事はしっかりとこなした印象。リバウンドからゴーまでの切り替えが速く、そこからのトランジションが日本のオフェンスにつながった。
評価:A @BBSpirits
前半、得点面であまり結果を出せなかったことが、期待値が大きいだけに、マイナスの幅も大きくなる。それでも比江島らにピックをすることで彼らの攻撃スペースを作り出すなど、スタッツに現れない部分で貢献した。最終Qにはターンアラウンドからのフェイドアウェイや、速攻の2対1からパスを出す素振りも見せず、自分でゴールを決めたあたりは意地の表れか。
評価:A @basket_count
スタッツは控え目でもリムプロテクターとしての能力は抜群。オフェンスではファジーカス選手が絶好調だった分、無理に攻めずバランスを保ったようにも見えるが、勝負どころで突っかけてのバスケット・カウント、ターンアラウンド・フェイダウェイとエゲツない、NBAを感じさせるスーパープレーを見せている。
#24 田中大貴
評価:B @Masataka_Taira from NATIONS
田中選手が10点以上とれば日本代表は勝つということを試合前に何人かのライターが話をしていた。結果は8点止まりだったがFG%は3/4で75%と高確率。そして何よりも5アシストと攻撃の起点となり仲間の得点を演出した。個人でとる10点以上の価値を生み出した。ディフェンス面は言うまでもなく素晴らしい動きだった。他の選手も田中選手のステイローを良き手本にしてほしい。
評価:C @marknbafan from NATIONS
オーストラリア戦と同様、富樫・ニック・八村・馬場・比江島よりもタッチが少なく、実質6thオプションになっている。チーム事情と戦術はあるが、ボールを持った時に積極的にハンドルして前を向くプレーを見たい。アルバルクではメインハンドラーの一人なだけに、もっとボールに絡んでほしい。
評価:A @flymagazine
3/4のフィールドゴールとシュートセレクションもよくDEFでも3Sで持ち味を発揮したがまだまだやれる印象。2,3番ポジションのチーム内争いも激化しそうな状況のなかで彼がどう進化するか注目したい。
評価:A @BBSpirits
第2Qの序盤、流れがどちらに傾くかわからない場面で貴重な3ポイントシュートを決めると、アルバルク東京のチームメイト、馬場のカットに絶妙なパスを出した。後半に入るとスティールからの速攻を決めるなど、ディフェンス面で持ち味を十分に出していた。今日のようなゲーム展開では十分な働きと言っていいだろう。
評価:A @basket_count
フィジカル負けしないディフェンスを主体としたプレー。攻めではオフェンスバランスを整えつつ、8得点4アシストを記録。26分半のプレータイムでターンオーバー0、やはりラマスコーチからの信頼は高いと見える。もっとオフェンスで結果が欲しいと思うのは、見てる側のエゴなのかもしれない。
序文:三上太 写真提供:日本バスケットボール協会