――東アジア競技大会ではターンオーバーが多かった。大会前に内海ヘッドコーチは「東アジア競技大会はゲーム感を取り戻す大会だ」とおっしゃっていましたが、ターンオーバーが多かったのはそれが原因でしょうか?
吉田 国内ではゲームができず、チーム内でのスクリメージだけだったので、東アジア競技大会が本当に久しぶりのゲームでした。最初の2試合(グァム、ホンコン・チャイナ)もゲームになるような相手ではなかったので、残りの2試合の入り方がすごく難しかったのは事実です。それでも自分たちのバスケットをしなければいけませんでした。その点については選手たちもしっかり反省して、本番のアジア選手権に向けて臨めると思うので、もう気持ちを切り換えてやっていくしかないと思っています。
――今年のチームはインサイドが充実しているのが特徴ですが、ポイントガードとしてインサイドをどのように使っていくつもりですか?
吉田 昨年のチームもすごく良いチームだったと思いますが、そこに王(朝新喜)や渡嘉敷(来夢)が加わり、インサイドにボールを入れることでディフェンスがより縮まり、アウトサイドにいるシューターが気持ち良く打てています。ですから、相手がどんなに大きくても、インサイドにボールを入れたいと思っています。そこから攻められなくてもディフェンスを縮めてからキックアウトをすればドライブもしやすくなると思いますし、センターを軸にしてドライブからの合わせやパス&ラン、スクリーンプレイもできます。オフェンスの鍵はセンター陣のポジション取りや、アウトサイドからのインサイドに入れるパス、逆サイドの合わせだと思います。まずはディフェンスから速い展開に持ち込みたいと思っていますが、セットオフェンスに入ったときに、しっかりとインサイドにボールを入れることもポイントになってくると思います。
――そのディフェンスから走る展開についてはどのように意識していますか?
吉田 最近、ディフェンスからブレイク、アーリーへと持ちこむときに、センターとのピックプレイが少ないと言われました。自分がドリブルで持ってきたときに、そのまま流れでセンターがスクリーンに立って、右サイドにいたらそこから左にドライブで切っていくことが少ないと。自分がディフェンスリバウンドを取ったら素早くプッシュして、センターやウイングを走らせることも必要ですが、センターのスクリーンを使って自分がレイアップに持って行くことも必要になってくると思います。特に終盤疲れてくるとみんな走らなくなってしまうので、そのときにはそういったプレイを意識してやっていきたいです。
――最後にアジア選手権の目標を聞かせてください。
吉田 もちろん優勝することです。ディフェンスにもオフェンスにもさまざまなチームのルールがありますが、私は、ディフェンスからのブレイクを徹底するなど自分たちのバスケットをやっていれば絶対にどこにも負けないと思っています。自分たちのプレイをして、このチームが結成したときにみんなで決めた「アジア選手権で優勝する」という目標に全員で向かっていきたいと思います。そのためにもまずは初戦のカザフスタン戦と2戦目のタイペイ戦で流れをつかむことがポイントになります。東アジア競技大会のときもそうでしたが、最近入り方の悪い試合がずっと続いています。スタメンの5人がそこをしっかりと意識して臨めば、その課題もクリアされると思っています。
日本が得意とする速い展開に持ち込むためには、単にスピードがあるというだけでなく、チームの最前線で厳しいディフェンスができる吉田の存在は欠かせない。165センチながらリバウンドへの意識も高く、コート全体を見渡す視野の広さと、そこに的確なパスを出す実力も兼ね備えている。攻守ともにチームの先頭に立ってチームをけん引する吉田亜沙美のプレイは必見である。
女子日本代表のアジア選手権・予選ラウンド対戦スケジュール
10月27日(日)14:00〜 対カザフスタン
10月28日(月)20:00〜 対チャイニーズ・タイペイ
10月29日(火)20:00〜 対韓国
10月30日(水)16:00〜 対インド
10月31日(木)16:00〜 対中国
11月2日(土)準決勝
11月3日(日)決勝
*すべてタイ時間。日本との時差:マイナス2時間。例)日本22時=タイ20時
JBA:第25回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会特設サイト
FIBA ASIA:第25回FIBA ASIA女子バスケットボール選手権大会サイト(英語)
フジテレビNEXT:TV放送スケジュール
文・三上 太