昨シーズン、開幕直前にケガをした髙田真希は、3試合しかコートに立つことができなかった。大黒柱を失ったデンソーアイリスは7位となり、2シーズン続いていたプレイオフ・セミファイナル進出を逃す。
4強への返り咲きを目指す今シーズンは髙田が復帰。開幕戦は2010-2011、2011-2012シーズンのセミファイナルで敗れているトヨタ自動車アンテロープスに69-46で勝利し、好スタートを切った。25得点を挙げた髙田は完全復活である。
昨シーズンの順位で組み合わせが決まった今年のオールジャパン。7位枠のデンソーは、準々決勝で首位JX-ENEOSサンフラワーズにあたり、63-67で惜しくも敗退。
髙田が復帰しても、WJBLでの4強入りは厳しいのか?オールジャパンを終えた後、そんな印象を持っていた。
目標を高め、意識から変えて挑む今シーズン
「今までは目標をベスト4に設定していました。しかし今シーズンは目標を優勝に上げているので、モチベーションから違います。個人としてもやらなければいけないという責任もありますし、昨年までとは意識も変わってます」
今シーズンよりスターターとして定着し、チームを率いる司令塔の伊藤 恭子。
首位JX-ENEOS以下は、めまぐるしく順位が変動する混戦状態のWJBL。オールジャパン後、さらにプレイオフ争いは激しさを増す中、しっかりと勝ち星を重ねたデンソーが現在2位まで上がって来た。
「勝ち続けていることが自信にもつながっています。また、一つのミスに対しても、今まで負けていた時はこのミスはしょうがないと流していたところも、勝っていることでちょっとしたミスも許されない状態になっています。そういう意識面でも上向いていると思います」
オールジャパン前は10勝3敗だったデンソーだが、オールジャパン後はこれまで13勝1敗と勝率を上げており、結果にもしっかり表れている。
PGの伊藤にとっても、髙田の復帰は大きい。
「メンタルの部分でも存在が大きい選手なので、私自身も落ち着いてプレイできています。困った時に助けてくれますし、頼れる選手。もちろんメンタル面だけではなく、得点力などプレイでも本当に頼りになる選手です」
しかし、髙田が復帰しただけで、ここまでチームが変わってしまうという結論ではないはずだ。
「今日の試合(70-60で勝利した三菱電機戦)でも、リツ(髙田のコートネーム)に頼りすぎることなく外もしっかりシュートが決められていました。少しずつですが、一人の選手に頼らずにバランスを考えてプレイすることができ始めています」
外から射抜く日本代表である藤原 有沙、大庭 久美子の存在も大きい。
打倒JX-ENEOS!今週末は佐久で首位決戦
2月8日、首位JX-ENEOSとの接戦を制し、59-58で勝利。JX-ENEOSに勝ったのは2011年10月15日以来であり、その前となると2005-2006シーズンまで遡らねばならないほど勝てない相手であった。
「昨シーズン負けていたチームに勝てたこと、そして一番大きかったのはJX-ENEOSに勝てたことがすごく自信につながっています。下位のチームでもトヨタ紡織や三菱電機戦は競った試合になり、これまでは逆転されて負けていたケースが多かったですが、今シーズンはしっかり勝ち切れていることも自信となっています」
現在25勝2敗で首位に立つJX-ENEOS。猛追中のデンソーは23勝4敗。今週末(3月8日-9日)、この2チームによる首位決戦を迎える。
2連勝すれば、JX-ENEOSに対してレギュラーシーズン負け無しとなり、首位に浮上できる大事な2連戦。しかし、ここでの勝利がゴールではない。目標はあくまで優勝であり、その過程としてのカギを握る試合となる。
「残り6試合を全部勝って、プレイオフに進めるのが一番だと思っています。勝ちにこだわりながら、内容をもっと良くしていかなければいけません」
- 3月8日(土)13:00 デンソー vs JX-ENEOS@佐久市総合体育館
- 3月9日(日)13:00 デンソー vs JX-ENEOS@佐久市総合体育館
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デンソーアイリス
泉 誠一