NBLから流れて来た自由契約選手リスト更新に関するリリースに驚いた!
NBL/NBDL 自由契約選手リスト 更新のお知らせ(12月1日)
今シーズン開幕早々に経営状況悪化が表面化し、リーグ管理下で運営を続けてきたつくばロボッツ。これまで16連敗中であり、成績も振るわないどん底を味わっている。しかし、昨日のトヨタ自動車アルバルク戦では68-70と惜しい試合をし、応援するファンにとっては今シーズン一番の興奮を味わえたのではないだろうか。
── そんな矢先である。
新たなる運営法人設立の目処が立ち、選手との再交渉を行ったようだが契約締結に至らず。リリースにあるように11名が自由契約選手リストに載る自体に陥った。
つくばロボッツ 残留選手たち(4名)
#10 中川 和之、#23 ジャスティン・レイノルズ、#33 ラマー・サンダース、#50 梅津 大介
12/1付で自由契約となった選手たち(11名)
橘 佳宏、竹田 智史、浅野 崇史、高島 一貴、岡田 優介、佐藤 託矢、中村 友也、木村 蓮、加納 誠也、鹿野 洵生、大金 広弥
つくばは今週末(12月6日-7日)、久慈サンピア日立スポーツセンターでのホームゲームが待っている。しかし選手が4人しかいなければ、試合はできない。登録最低人数は明記されていないが、最悪あと一人との契約が必要となる。そんな状況でトップリーグの試合と言われても、対戦する千葉ジェッツにとっては迷惑な話だ。
このリリースだけを見れば、新しい運営法人と11人の選手たちの契約交渉が決裂したわけだが、それでもこの法人の参入をリーグは認めてしまうかどうかが、次の焦点となる。
無計画に経営難のチームを延命するような措置は、歪みとなってリーグ内はもとよりバスケ界全体を蝕むことになり兼ねない。NBAやプロ野球では本拠地を変更したり、買収されたりしながらチームを存続させている。これまでも同じようなことは何度もあったが、日本のプロバスケチームの価値を高めることが先決だろう。
シーズン中にも関わらず、苦渋の決断をした選手たち。自由契約になった選手も、チームに残る選手にとっても、これが最善の行動なのかどうかは事実関係が分からないので何とも言えない。ただ言えることは、このようなことが起こる前に、審査基準の抜本的な改善や定期的または抜き打ちで経営状況の調査を実施するなど、リーグとしての仕事を見直す必要があるのではないだろうか。
この話題に触れている今も、統一プロリーグへ向けて一日も早い決断が迫られている。
チーム数を拡大させているのはリーグである。そこに多くの選手を受け入れているわけだから、そのマーケットに見合った運営や成長を導いていくのは、当然リーグの責任となる。統一プロリーグは、その名の通りプロチームの集合体を目指している。今回のつくばだけの話ではなく、過去を振り返っても“やっぱりプロってダメなのか”、と思われても致し方ない状況となってしまう。
チームが健全な経営努力をすることはもちろんだが、シングルエンティティ(単一事業体)である以上、リーグこそ責任を持って選手たちを路頭に迷わすことのないような体制作りが、統一プロリーグ実現とともに急がれる。
泉 誠一