8,000人近くの大観客を集め、地上波(NHK Eテレ)で全国放送された「オールジャパン」。男子は東芝ブレイブサンダース神奈川が8年ぶりの優勝を果たした。高校生や大学生、社会人(実業団、クラブチーム)といった各カテゴリーの代表が集い、“日本一”を決めるトーナメント戦は近年まれにみる激戦が続いた。特にセミファイナルのアイシン三河vsトヨタ東京、和歌山vs東芝神奈川、そしてファイナルの東芝神奈川vsトヨタ東芝は観る者の脳裏に焼き付いている。
セミファイナルの和歌山vs東芝神奈川は、残り0.7秒で明暗が分かれた。勝ったのは東芝神奈川。今シーズン、両者はこの試合が初対戦だったが、バスケファンの誰もが思ったに違いない“楽しみが増えた!”
そしてレギュラーシーズン再開。オールジャパンの再演が早くも実現することになった。2連戦の1戦目、先手を取った東芝神奈川だったが、第2ピリオドで和歌山が逆転。結局81-77で和歌山が勝った。東芝神奈川は#22ファジーカスが45得点、15リバウンドの大活躍だったが、ここに落とし穴があったのかも知れない。(さすがに45得点は計算外だったとしても)3ポイント8本、オフェンスリバウンド4本という数字は、和歌山にとっては、相手の大黒柱をグラつかせる作戦が奏功したのだ。“シューター”#14辻を5得点に抑え込んだのも狙い通りだった。
続く2戦目、前日のいいムードをつなげた和歌山は第1ピリオドを30-23とリード。第2ピリオドは東芝神奈川が追い上げ、41-43と盛り返して前半を終了した。和歌山は得点源の2人(#3パーカー、#9川村)が好調をキープし、僅差ながらリードを奪ったまま終盤を迎える。
第4ピリオド残り1分25秒、川村のシュートが決まり、和歌山が88-83と5点差を付けた。が、その後2度のターンオーバーを犯すといずれもシュートに結び付けられ、残り14秒で88-89と逆転を許してしまった。残り11秒でフリースローを得た川村が1本決めて89-89。
残り8秒、東芝神奈川は#9栗原がシュートミスすると、リバウンドを奪ったのはパーカー。最後はパスを受けた川村が“ブザービーター”で連勝を引き寄せ、見事なリベンジ。他にも、リンク栃木がアイシン三河を破ったり、北海道が三菱電機名古屋に連勝したり……こうでなくっちゃ! チームも選手も気持ちを切り替え、新たな戦いをスタートさせた。ファンもオールジャパンの余韻を味わったら切り替えましょう。今度はリーグ王座の争奪戦を楽しみましょう。まだまだ楽しみなカードがあるので、決してお見逃しのないように。
15節 NBL交流戦スケジュール
- 1月31日(金)
19:00 兵庫 vs リンク栃木@兵庫県立文化体育館@ - 2月1日(土)
14:00 三菱電機名古屋 vs 日立東京@パークアリーナ小牧@
15:00 アイシン三河 vs 千葉@ウィングアリーナ刈谷@
15:00 兵庫 vs 北海道@兵庫県立文化体育館@
15:00 つくば vs 東芝神奈川@石岡運動公園体育館@
15:30 和歌山 vs リンク栃木@ノーリツアリーナ和歌山@
18:30 熊本 vs トヨタ東京@益城町総合体育館@ - 2月2日(日)
13:00 和歌山 vs 北海道@ノーリツアリーナ和歌山@
14:00 三菱電機名古屋 vs 千葉@パークアリーナ小牧@
15:00 アイシン三河 vs 日立東京@ウィングアリーナ刈谷@
15:00 つくば vs 東芝神奈川@石岡運動公園体育館@
15:30 熊本 vs トヨタ東京@益城町総合体育館
文・羽上田 昌彦(ハジョウダ マサヒコ)
スポーツ好きの編集屋。バスケ専門誌、JOC機関紙などの編 集に携 わった他、さまざまなジャンルの書籍・雑誌の編集を担当。この頃は「バスケを一歩前へ……」と、うわ言のようにつぶやきながら現場で取材を重ねている。 “みんなでバスケを応援しよう!”を合言葉に、バスケの楽しさ、面白さを伝えようと奮闘中。